標準世帯が標準ではなくなり、ひとり暮らしが最多に
夫婦とふたりの子どもからなる家族を「標準世帯」といい、政府の制度設計の基準となっている場合もあります。「家族類型別の世帯数割合」(図表1―4)をみても、「夫婦と子ども世帯」は1985年には全世帯の40.0%も占めていました。前述した通り、平成の初期にはまだ、子育てをする家族が社会のマジョリティ、標準とみなすことができたのです。しかし、平成の間に「夫婦と子ども世帯」の割合は低下。2015年には26.9%となり、もはやマジョリティとはいえなくなりました。
その一方、「単独世帯」が急速に増加し、直近では最も多い類型になりました。さらに、「世帯主年齢別の単独世帯数」(図表1―5)で急速に増えているのは、65歳以上の高齢者なのです。
この世帯構造の変化は、平成の生活者が家族形成や老後といったライフコースの考え方を変えていく、ひとつの要因となっています。