ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

年度末に読んでおきたいビジネス書 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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 最後の追い込みで慌ただしい年度末。こういう時こそ将来の基礎固めのためにビジネス書に目を通したい。シンクタンク「ソフィアバンク」代表である田坂広志・多摩大学大学院教授の著書を紹介する。

「仕事の技法」(講談社現代新書)

 ――原子力の工学博士でもある田坂氏の著書の特徴は行間や改行を工夫して、視覚的にも内容の理解がより進むように、工夫されているといわれます。

 本書で田坂氏は、いかなる仕事であっても求められる「根幹的技法」、すなわち「対話の技法」があると解きます。仕事の根幹は、相談、交渉、説明、会議、報告、連絡など、顧客や業者、上司や部下をはじめとする人間を相手とした「対話」だからです。

 しかも対話には、「表層対話=言葉のメッセージによる対話」と「深層対話=言葉以外のメッセージによる対話」という2つに分けられる。「気にしていません…」と言っているが、その表情からは「気にしている」ことが伝わってくる、といったようなことです。言葉のメッセージよりも言葉以外のメッセージである「深層対話力」を高めることで、仕事力が飛躍的に高まるとしています。

 ――この深層対話力をいかにして身に付けるのがポイントですね。

 本書では商談や会議の後に「言葉以外のメッセージによる深層対話」の振り返りを行うことを提案しています。田坂氏自身、かつて商談の帰りに必ず、部下といっしょに「直後の反省会」を行っていたといいます。「こちらの説明の最中、A部長の反応と心の動きはどうだったか?」「B課長の、あの質問に対して、あの答えをしたのは正しかっただろうか?」。こうした質問を次々と部下に投げかけ、自分も考えることです。

 この直後の反省会を習慣にすれば、自然に深層対話力が高まっていくといいます。この追体験を行う時は、必ず、「相手の視点」で振り返ることである。すなわち、「自分が相手だったら」という気持ちで振り返りをする。そうすることで、自然と「相手の視点」で物事を見るという習慣が身につく。

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