小さなサービス産業の高付加価値経営

わらしべ、「冷めておいしい」たいやき 日本政策金融公庫総合研究所 研究員 長沼 大海氏

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 焼きたてが一番おいしい、そんな常識を覆したたいやき店が三重県にあります。「たいやきわらしべ」では、1枚170円のたいやきを10枚単位でまとめ買いしていく顧客が途絶えません。さらに同店を運営する「わらしべ」は、もとは自動車部品メーカーだったというから驚きです。どのようにして同社はまったく異なる業種へ転業を遂げたのでしょうか。

  <わらしべの概要>
代表者   福田 圭
創 業    1982年
所在地   三重県伊勢市小俣町宮前736-1
電話番号  0596(24)0648
従業者数  15人(うちパート5人)
事業内容  たいやき店、フランチャイズ店の管理運営
URL     http://www.taiyaki-warashibe.com

ベアリングメーカーの起死回生策

 創業以来、自動車用ベアリングの工場を経営していた同社は、2008年のリーマンショックを境に取引先の経営が傾くと、倒産寸前まで追い込まれてしまいます。このとき、現社長の父で創業者の畑守さんが、会社を守るために始めたのがたいやき店でした。

 経営再建の秘策にたいやきを選んだのは、畑さんの好物だったからです。よく従業員への差し入れでたいやきを買っていましたが、既存の店に二つの不満があったそうです。

 一つは、待ち時間です。従業員のために10枚20枚とまとめ買いすると、焼き上がりまで相当な時間がかかり、急な大量注文に対応できる店がなかったのです。

 忙しく仕事をこなす従業員においしいたいやきを食べさせたいと考えた畑さんは、鉄板に独自の加工を施して、仕事の合間に大量のたいやきをつくれる器具を開発してしまいました。焼き上がりの時間をアラーム音で知らせるこの器具は、鉄板につきっきりになる必要がないところがポイントです。

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