長島聡の「和ノベーションで行こう!」

現場の「困りごと」をデジタルで共有し革新につなげる 第23回  法政大学 西岡靖之・デザイン工学部教授

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 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第23回は法政大学でデジタル化によるつながるものづくりに取り組んできた西岡靖之教授です。

日本のものづくりに危機感

長島 出会いは3年くらい前でしたね。一昨年のハノーバーメッセでは、IVI(Industrial Value Chain Initiative、インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)と米IIC(Industrial Internet Consortium)との連携に関する合意文書の調印式でもお会いしました。まずIVIについて簡単に教えてください。

西岡 ものづくりとITが融合したあたらしい社会をデザインしていくためのフォーラムで、現在、約250社が参加しています。製造業で工場を持つ企業が正会員で、サポートする形でIT企業やコンサルタント企業も参加してもらっています。ものづくりに関わる人たちはもともとアグレッシブですが、企業内の閉じた世界の中でこれまで活動してきて、外部からの刺激を期待していた部分も感じました。そこで会社間で、同じ悩みを抱えている人が集まって製造業の明日を語る場としてIVIを立ち上げました。スタンスとして、まずは自分たちがやるべきことは何かを考え、ドイツや米国など海外の先端的な取り組みは参考にしましたが、あえて日本的なやりかたにこだわり、独自のスタイルを追求しました。

長島 2014年前後はドイツ発のインダストリー4.0が日本で大きく注目された時期で、日本のものづくりは大丈夫か?という空気がありました。現在は日本の取り組みもクローズアップされてきていますが、ものづくりを取り巻く環境をどうとらえていますか。

西岡 IVIでも、設立当初は危機感を持って各社も取り組んできて、結果も出してきたと思います。でも、その結果、デジタル・トランスフォーメーションの流れに本当に乗れたかというと、まだまだ全然です。変に安心している部分もあるので、私自身はかえって危機意識が高いです。日本の9割以上の生産現場は、簡単にはデジタル化できないのが現実だと思いますが、これを強引に一気にデジタル化というのも間違いだし、従来の職人技に閉じこもるのも間違いです。まだ、依然として有望な成功モデルが見えてないという気はします。

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