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大きく切り返す日米株価の値動きから今後を展望 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 本連載の前回更新分で、筆者は昨年12月に見られた日米の株価急落について「少なくとも市場の悲観のあまりに過剰だった部分は、着実に解消されて行くこととなろう」「日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の昨年12月安値については、テクニカル分析の見地からも当座の底であったと判断することができる」などと述べた。

 実際、米国市場においてはNYダウ平均やS&P500種、ナスダック総合などの各種株価指数は、ともに昨年12月4日以降の急落分の大半を本記事執筆時までに取り戻し、むしろ足下では目先的な高値警戒感が一気に強まるといった状態にある。その一方で、国内市場においても日経平均株価やTOPIXが、米国の各株価指数ほどの勢いはないものの、着実に一定の戻りを試す展開となっている。

 振り返れば、やはり今年1月4日に市場に伝わった米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長による「金融政策を柔軟に見直す」との発言が大きく響いた。さらに、1月下旬に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文と議長会見の内容が米株価の上昇を一段と後押しする格好になったことも間違いない。

 ここにきてFRBの政策方針が急にハト派寄りに傾きはじめていると市場が捉えていることは、米株価にとっての強気材料となり得るが、同時にドルにとっては弱気材料と見られなくもない。そのせいもあってか、日本株全体の戻り歩調が米国株のそれよりも強くないことは事実であるが、それでも足下で極端にドル安・円高が進んでいるわけではなく、むしろ対円でのドルは思いの外、底堅く推移しているといった印象である。

 正味のところ、目下の米株価の動きには「いいところどり」のようなところがあり、そういつまでもいわゆる“ゴールディロックス(適温)相場”の状態が続くわけもない。ならば、その次の展開はどうなるのか。外国為替相場の行方との兼ね合いも含めて、当面の日本株に十分な上値余地はあるのか。なかでも、特に注目されるテーマやセクター・業種はどのあたりになるのか。今回もじっくり考察しておきたい。

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