営業デジタル改革

デジタル時代の営業力とは?「営業からの紹介」はたった16% トライツコンサルティング 代表取締役 角川 淳

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 ウェブなどのデジタルツールの普及によって顧客の購買活動が大きく変わってきました。顧客は営業担当に相談する前に、まずはウェブで検索して情報を得ようとします。BtoCの世界においては、アマゾンを代表とする完全にデジタル化された営業手法が台頭していますが、その流れはBtoBの世界にも確実に広がってきました。この連載では主に「BtoB市場における顧客の変化と営業現場の課題」について5回にわたり解説します。

◇  ◇  ◇

まずはウェブ検索から始まる

 みなさんはインターネットが身近なものになってから、モノを購買する手順が変わったのではないでしょうか。たとえば家電製品が壊れたとき、かつては近所の電器屋さんに電話するとか、家電量販店に行って店員さんに相談するなどしていたでしょう。旅行に行きたければ、駅のそばにある旅行代理店に行ったはずです。

 それがこの十数年ほどで、多くの人がまずPCやスマホで検索を行い、情報を集めるようになりました。家電製品も旅行もどんなものが人気なのか、その家電製品を買った人や旅行に行った人はどんな感想を持っているのかなどの情報は、簡単に入手できるようになっています。そして店舗に行かなくともウェブで安く購入できるし、その情報を持った上で店舗を訪問し、現物を確認して買う人もいます。

 また、もしあなたが店舗に行くとしても、すでにウェブを使って得た情報をもとに、ある程度の意思決定をしているはずです。そして、自分の意思決定が正しいかどうかを、店舗で確認したいと思っているのではないでしょうか。

 そのとき、もし対応してくれた店員さんがウェブではまったく得ることができなかった専門的なアドバイスをしてくれれば、あなたは大きく考えを変えるかもしれません。しかし、そうでない場合、その店員さんはあなたにとってあまり価値のない存在になってしまいます。あなたは店頭に並んでいる商品を確認し、後はどこで買うのが一番安いか、早く届くか、などで判断することになります。

 このように一人の消費者としての購買の変化は、企業の購買の仕方にも大きな影響をもたらすのは当然のこと。なぜなら企業であっても、それは人の集まりにすぎないからです。インターネットを使って便利に買い物をしたという経験があると、会社で仕事をしていても同じようなアプローチをとるようになります。

「営業からの紹介」はたった16%

 具体的には、何か購買しようとした際、以前は出入りしている営業担当者に声をかけていたものが、まずウェブで情報収集するようになります。そして業者に連絡する際には、すでにある程度の意思決定をしているということです。

 したがって、営業担当者はそんな顧客の状態をわかった上で対応する必要があります。加えてそもそもの話として、ウェブで情報を集めている顧客に、自社のウェブサイトを見てコンタクトしたいと思ってもらえるような工夫が不可欠になっています。

 米国の有名な企業調査・格付会社であるダン・アンド・ブラッドストリート社の調査レポートの中に、顧客の購買の意思決定に関する興味深い調査データがあります。

質問 自分(営業担当者)は顧客の購買プロセスに直接的な影響力がありますか

●とてもそう思う 40%

●ややそう思う 34%

●どちらでもない 18%

●あまりそう思わない 4%

●まったくそう思わない 4%

 あくまでも米国の調査結果ではありますが、これを見ると回答者のうちおよそ4分の3に当たる74%の営業担当者が、「自分は顧客の購買プロセスに影響力がある」と認識しています。

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