ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

「稲盛イズム」のエッセンスを知る3冊 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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  他にも普遍的な哲学が示されています。「トップは強いリーダーシップを持つと同時に、一方では謙虚さを兼ね備えていなければならない。局面に応じて、その両方を正しく使い分ける必要がある」 「利を求める心は事業や人間活動にとって必要だが、その欲が過ぎてはいけない。利己が過剰だと、いつか破綻を迎えることになる」――などです。

 ――京セラ、KDDIを創設した稲盛氏には新しいマーケットを開拓する才覚の鋭さ、機を見るに敏な経営者の印象があります。

  本書では「策略で勝ち得た成功は長続きしない。こちらが裏をかけば、そのまた裏をかかれるだけだ」「リーダーの資質として、人格は、才覚にもまして重要な要素である」などと繰り返し述べています。人格を高めるためには、素晴らしい哲学を繰り返し学び、常に実践を図るよう努める必要がある、というのが稲盛イズムです。

「心を高める経営を伸ばす」(PHP研究所)

  本書は、稲盛氏自身の哲学を、1テーマ2ページの文字量でエッセンスをコンパクトにまとめたものです。「人生の目的を求める」「壁を突破する」など、100以上のテーマについて語られています。

 ――稲盛哲学のエッセンスが簡潔に示されているので利用度がが高そうです。

  稲盛氏の思想の中でも「動機善なりや 私心なかりしか」と自問自答する教えは、知っているかたも多いでしょう。さらに仕事を進めていくに当たって、「プロセス善なりや」と問い、実行していく過程も人の道を外れるものであってはならない、と説きます。常に「私心なかりしか」という問いかけが必要なのである。自分勝手な心、自己中心的な発想で事業を進めていないかを点検するわけです。

 ――利益追求最優先の経営ではない点が国際的に注目され続けている理由ですね。

  本書でも「人を動かす原動力は『公平無私』であることや、「経営の目的は、次元の高いものでなければならなず、商いの極意は、お客様から尊敬されることである」ことが説かれています。

(聞き手は松本治人)

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