泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

ゴーン氏の日産における経営者としての成績表(上) テクノロジーアナリスト/GFリサーチ 代表 泉田良輔

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 2018年11月19日、日本中を大きく驚かせた日産自動車の会長(当時)であるカルロス・ゴーン氏逮捕のニュースが流れた。東京地検特捜部がゴーン氏を金融商品取引法違反の容疑で逮捕したのである。また、2019年1月11日には、私的取引の評価損付け替えと知人側への不正な資金支出による特別背任等での追起訴がされており、現在も捜査が続いている[1]

 日産は2018年11月22日の臨時取締役会でゴーン氏の会長職と代表取締役の解任を決定。2019年1月24日には仏ルノーが取締役会を開き、ゴーン氏の会長兼最高経営責任者(CEO)辞任を承認している。

逮捕されたゴーン氏は経営者としてどう評価できるのか?

 今回の事件が、今後どのように落ち着くのかは、現時点では見通しが立ちにくい。その中で、ゴーン氏への経営者としての評価も二分されている。

 たとえば、ゴーン氏の逮捕直後に開かれた記者会見で、日産の西川廣人社長はゴーン氏について以下のようにコメントした[2]。今回の逮捕は、ゴーン氏の長期にわたる経営への関与が原因の一つであることを臭わせるものだ。

 「本事案で判明したゴーン主導の不正は、やはり長年にわたるゴーン統治の負の側面と言わざるをえません」

 続けて西川社長は、ゴーン氏と日産の業績回復について以下のようにコメントした[2]。1999年に日産が直面した経営危機からの回復については、ゴーン氏の貢献を認めつつも、同氏以外のステークホルダーの総合的な努力の成果と結論づける。

 「(ゴーン氏の)CEOとしての個人の貢献はありましたが、これは個人に帰するものというよりも、その期間に多くの従業員が努力をして積み上げてきたことであること。あるいは、その前の経営危機に至るまでの90年代の苦労の時代、これは従業員のみなさん、そしてご家族、お取引先を含めたみなさん大変苦労しました。その苦労と努力のその貢献の結果、2000年を超えたあとのリカバリーがあったと思っておりますので、その努力の結果、あるいはその結晶を今事案で無にはしたくない」

 ゴーン氏の経営手腕は、1999年10月に発表された「日産リバイバルプラン」[3]と、その後の業績のいわゆる「V字回復」とともに、様々なメディアで評価され、多くの人が記憶している。しかし、それは果たして正しい認識なのか?今回は、ゴーン氏の経営者として評価を実績データに基づいて行ってみたい。

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