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2019年の株式相場は基本強気!有望視されるテーマや業種もチェック 経済アナリスト 田嶋智太郎

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「5G元年」の今年は関連銘柄に大注目!

 なお、個人投資家が好む日本の中小型株や新興株にあっては、昨年12月に価格下落を余儀なくされる物理的理由もあった。それは、一つに昨年12月のIPO(新規株式公開)スケジュールがあまりにタイトで、手元の資金繰りから余裕が失われてしまったことと、いま一つに一時的な大幅下落で信用取引の追証(追加証拠金の差し入れ義務)が発生し、その対応に追われた向きもあるということが挙げられる。

 逆に言えば、既にそうした時間帯を通過して、少なからぬ個人投資家がようやく新たな物色対象を選別してみたり、実際の売買に挑んでみたりし始めている。昨年12月にIPOしたソフトバンク(銘柄コード:9434)が、もともとの公開価格だった1500円に近づくと売りが浴びせられるのは、多くの投資家がいわゆる「やれやれの売り」で現金化して、それを次のチャンスに振り向けようとしていることの表れであろう。

 もちろん、肝心なのは「次」である。チャンスの在処(ありか)は、一つに2019年を通じた大きなテーマに関わる銘柄群ということになるはずであり、それは例えば「5G(第5世代移動通信システム)」ということになろう。

 周知のとおり、2019年は『5G元年』と言われており、日本国内でも3月末から5G向け電波の割り当てが始まる。そして、今年9月20日から日本で開催されるラグビー・ワールドカップ(W杯)は、まさに5Gにとって格好の“実験場”となることが見込まれているのだ。

 なにしろ、5Gは現行の4Gに対して通信速度が約100倍であるという。その“破壊力”は計り知れず、現在の「不可能」が次々に「可能」となって行くことも想定される。なにかと話題の自動運転への応用というのも、その一つであると考えられる。米シスコシステムズによれば、世界のデータ通信量は今後も大幅に増加し続け、4年で2.5倍にまで膨れ上がるという。今年が「元年」とされる5Gが来年以降、本格的に世界に普及し始めたら、正直、データ通信量はもっと膨大なものになると個人的には思う。むろん、そこで何らかのチャンスをつかんだ企業の収益は飛躍的な伸びを記録する可能性もおおいにあると言えよう。

 俗に「5G関連銘柄」と言えば、新興企業も含めて数あるわけだが、あえて筆者は「NEC(6701)」をここで取り上げておきたい。同社は、昨年10月に5G移動通信システム向け基地局の開発、販売で韓国サムスン電子と提携することを明らかにした。

 そんなNECに関わる新たな話題が、年明け4日の日本経済新聞紙面を賑わした。記事によると、海底通信ケーブルで世界大手の同社が、このほど通信速度を3割増やせる技術を開発したという。海底通信ケーブルの世界というのは、同社と米TEサブコム、フィンランドのノキア子会社の3社で市場シェアの約9割を占めるのだそうで、競合のなかから一歩でも抜きん出ることとなれば、それに伴う収益の伸びは相当なものとなろう。

 実のところ、同社による2019年3月期の業績予想は連結純利益が250億円と、相当に控えめな水準に押さえられているが、市場予想(QUICKコンセンサス)によれば2019年3月期は350億円、2020年3月期は647億円と、かなり強気な見方をする向きも少なくないようである。まさに5G関連の中核銘柄とも言えるだけに、今後の市場での活躍も楽しみであると言えよう。

業種として有望なのは「システム会社」

 次に、注目度の高い業種・セクターであるが、それは一つに「システム会社」であると言える。

 昨年12月の日銀短観によると、2018年度のソフトウエア投資計画は前年度比11.6%増と見込まれており、主要な28業種のうち24業種で前年度から伸びるという。おりからの人手不足に伴う省力化投資やビッグデータ活用に向けた投資の活発化などが背景にあるとされ、従来はシステム投資があまり進んでいなかった不動産や建設といった業種にも拡がっている模様。もちろん、当面は全体に収益の拡大も続くものと見ていいだろう。

 たとえば、「NTTデータ(9613)」や「野村総合研究所(4307)」など、システムやソフトウエア開発を主力とする東証1部上場企業は数あるが、なかでも「ネットワンシステムズ(7518)」は2019年3月期に大幅な増益となることが予想される銘柄の一つとして注目される。

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