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2019年の株式相場は基本強気!有望視されるテーマや業種もチェック 経済アナリスト 田嶋智太郎

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日米株価の昨年12月安値は市場の悲観の行き過ぎ

 まず、ここで一考しておきたいのは年明け3日に生じた対円でのドルの瞬間的暴落(=フラッシュ・クラッシュ)の原因についてである。これは、一つに米国のアップル社が前日(2日)の引け後に2018年10~12月期の売上高見通しを下方修正したことに反応したものではあるが、より実態に近いところとしては「年明け早々の、そうでなくとも日頃から極端に商いが薄くなる時間帯において、たまたま飛び込んできたドル売り材料にアルゴリズム(売買プログラムによる自動取引)が過剰反応した結果」と見た方が適当であろう。

 つまり、その時点で一瞬時目の当たりにした値幅の大きさほど意味のある円高でもなかったし、さほど深刻な円高でもなかったということであり、それは昨年12月26日につけたNYダウ平均や日経平均株価の直近安値についても同じようなところがあったのではないかと考えられる。

 確かに、昨年12月に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)において追加利上げの判断を下したFRBの姿勢は「市場の平均的なところ」よりも過度にタカ派寄りであったと言わざるを得ない。FRBが唱えるとおり、足下の米景気は依然として拡大基調にあるわけだが、米大統領の言動や米中間の対立などがもたらす市場の先行き不安については、もう少し考慮したうえでより適切に“対話”すべきであったろう。

 ただ、その一方で「市場の平均的なところ」というのが、やけにハト派寄りで過度に悲観的であったということも否めない。結局、FRBのパウエル議長は動揺する市場の火消しを優先することを余儀なくされたが、そのことによって今後、政策当局と市場がともに歩み寄り、相互の間に生じていたギャップも徐々に埋まって行くことになるものと思われる。

 少なくとも「市場の悲観」のあまりに過剰だった部分は着実に解消されて行くこととなろう。もちろん、それは米市場のみならず日本市場においても同じであり、実際に足下では日米株価のリバウンドが生じている。

テクニカルの見地からも昨年12月安値は当座の底

 実のところ、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の昨年12月安値については、テクニカル分析の見地からも「当座の底」であったと判断することができる。

 まず、日経平均株価の昨年12月安値というのは、アベノミクスがスタートする前の2012年10月安値と2016年6月に起きたブレグジット・ショック時の安値を結ぶ長期サポートラインの延長線上にあるということがわかる(図表2)。テクニカルの世界の住人に言わせれば、これは「あえて長期サポートラインが位置する水準を試しに行った」ということになるだろう。

 一方のTOPIXについては「昨年10月高値から昨年12月の安値までの下げ幅」が「昨年1月高値から3月安値までの下げ幅」のちょうど1.618倍(いわゆる「黄金分割比率」)になるという、何やら迷信めいた事実がある。もちろん、システムトレードの現場においては、こうした水準が一つのターゲットとしてプログラムに仕組まれていることもまた事実であり、これは当然の結果であったとも言える。とまれ、TOPIXにおいても昨年12月安値は当座の底と認識していいものと個人的には考える。

 なお、いったん底入れから反発へという見方については、単にテクニカルな見地からの判断だけに基づいているのではない。おわかりのとおり、この2019年という年は新天皇のご即位や新元号の制定、また消費税率の再引き上げなど、わが国にとって非常に意味のある重要イベントが相次ぐ。

 平たく考えても、こうした重要イベントと向き合って行く時間帯のなかで、ただひたすらに株価や景気がダラダラと下がって行く状況というものを看過することなどできるだろうか。当然、できれば株価や景気が上向きの状態にあるなかで大事なイベントと向き合いたいし、そのために政府はありとあらゆる手を打とうとするだろう。そうでなくとも、今年は統一地方選挙と参議院選挙が重なる政治決戦の年にあたる。加えて言えば、今年は「米大統領選の前年」でもあり、米国株の好パフォーマンスも期待される。

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