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シニアの頑張りは若手の迷惑?「古い」と言われないための対策 トレノケート シニア人材教育コンサルタント 田中淳子

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 50歳以上を「シニア」と定義し、働くシニアを応援すべく月1回で書き進めてきたこの連載も10回目である。今年もまたシニアについて色々と考えてみたい。改めて、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、年末年始、実家にしばらく滞在してきた。都内なので、いつでも行けるが、忙しさにかまけて、なかなか様子を見に行くこともない。久しぶりに会う両親は、また少し老いて「大丈夫かな?心配だな」と思うことも増えた。

 帰宅して私あてに届いた年賀状を読めば、同級生たちの多くが親の介護問題に直面しており、「昨年から介護施設に」といった添え書きもちらほら。親を見送った友もまた多い。さらには、「親だけじゃなくて、自分の老いも課題です」という言葉も見受けられ、いやあ、ホント、50代後半はいよいよ人生後半戦だという実感を持った。

 仕事では昨年、シニアのキャリア開発支援に着手し、まず「50代向けのキャリア開発支援」のワークショップを開催した。人生100年時代を迎えた今、シニアの方々がどう働いていくのか、どういう人生を送っていくのかを参加者とともに考え、参加者と同年代である私にとって「じぶんごと」でもある濃い時間となった。

 シニア向けのキャリア開発支援を行う過程で、ある50代の参加者からこんな声が聞こえて来た。

 「色々やりたいことはあるが、“おじさん”や“おばさん”があれこれ動くと若い人にとってはやりづらくて迷惑でしょう?」

 この“おじさん”や“おばさん”はご本人の自虐的な表現方法なので、そのまま使わせていただくとして、引っ掛かったのは「あれこれ動くと若い人はやりづらくて迷惑でしょう?」という部分である。

 この人手不足の時期に「思い過ごしだ」というのは簡単だが、この感覚、私も多少持っており、共感できる。

 いくつか理由はあると思う。

 一つは、会社の制度に沿った役割・報酬の変化だ。

 たいていの企業には定年制度があって、それが60歳だったり65歳だったり70歳だったりするわけだが、定年の少し前から役職定年制度によって役職から解かれ、給与もガクッと下がる場合が少なくない。管理職でなくなるだけでなく元部下が上司になるようなことがあれば、シニアはプライドが傷つき、扱いにくい部下になるケースもあるだろう。「いや、年下上司でもそれはそれで全然気にしないよ」と割り切れる人だとしても「元上司だった人間が頑張れば、やりづらいだろうなぁ」と考えてしまうかもしれない。

 たいていの企業では、役職や給与などの変化により、50代の途中から、「そろそろ終わりなのだ」と意識するような仕組みになっていて、もちろん、本人がそれを望んでいるのならよいのだが、やる気があったとしても、なんとなく、会社から「目立たないように振る舞ってほしい」と言われているような気持ちになる場合もあるに違いない。

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