日本の「中国人」社会

埼玉県にある「中国」、不動産店は外国籍OKの貼り紙 ジャーナリスト 中島恵

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埼玉県にある「中国」

 「外国籍OK」――。不動産店の店先で、こんな貼り紙を見つけて立ち止まった。

 日本では「外国の方は、あまり……」という不動産店が多いと思っていたので、外国籍OKとわざわざ書くのは少し意外な気がする。

 ここは埼玉県川口市。JR京浜東北線の西川口駅で下車し、新興のチャイナタウンを目指して西口のロータリーを出ると、「○○電脳城」「×××火鍋」といった中華系の店の看板がやけに目についた。

 私は首をかしげながら、貼り紙のある不動産店に入ってみた。カウンターに座ると、日本人の女性店員が奥から現れた。いきなり入店して取材というと身構えられると思い、今度来日する中国人の知人がいるので、その人のために情報収集している、ということにした。

 「中国人が不動産を借りるときですか? 中国の方でも、川口ではまったく問題ありません。日本語が全然できないと少し困りますが、最近は中国人の大家さんも増えています。留学生として来日し、そのまま川口に住み着いて、マンションを所有しているんです。家賃も、沿線の二つ隣の駅(赤羽)は東京都内なので少し高いのですが、埼玉県に入るとぐっと下がります。しかも池袋まで電車で約20分。物価の安さも魅力です」

 取材に訪れた日も、来日して間もない留学生が訪れ、1DKで4万8000円の物件を契約していったばかりだ、とその女性は話していた。

 彼女によると、この付近にはもともと風俗街があったが、10年ほど前から警察の摘発によって、そうした店が消え始め、賃料が下がってきた。入れ替わるようにして増えたのが中華系の飲食店や雑貨店だという。

 中国人の増加に伴い、彼らに向けた不動産物件を扱う店も増えてきた。

 「中国人が生活するにはとても便利なところなんですよ。友人の紹介や、日本語学校に近いからという理由で、西川口まで物件を探しに来るようです。ここ数年、そうやって増えていったんじゃないでしょうか」

 この店にやってくる中国人の多くが留学生や20~30代の会社員で、たいてい2軒ほどの物件を見て即決していくという。

 「畳の部屋は避ける傾向がありますね。和室に興味はあるようなのですが、中国人は床に座る習慣がないので、結局フローリングのタイプを選びます。駅からの距離はけっこう気にしますね。最近ではひとつのマンションの半数以上が中国人ということも少なくありません」

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