ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

年末年始に押さえておきたいこの3冊 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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 世界各地でナショナリズム運動の波が広がっているのは、グローバリズムの恩恵を受けられない人々がそれだけ多いということ証しでもあるわけです。このような現象が拡大していくことで、「われわれと彼ら」という対立構造がさらに鮮明になると、ブレマー氏は指摘します。

「世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ 」山本秀樹著

 ――広い視野を持った良質なエリートの育成は世界共通の課題ですね。

 米ハーバード大学やスタンフォード大学といった超名門大学の合格を辞退してでも入学したい大学があるといいます。それが「ミネルバ大学」です。2014年の開校以来、世界中から2万人以上の受験者が集まり、合格率は1.9%だそうです。「世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ」(ダイヤモンド社)を著した山本秀樹・元ミネルバ大学日本連絡事務所代表は、既存の大学が抱える問題点をすべてクリアーした育方法が注目されるだとしています。

 ――即戦力の人材を生み出しにくいことや「講義形式」の非効率性、学生側からはローン返済の高騰化などが大学の問題点だと指摘されています。

 現在の大学が抱える問題に危機感を覚えた起業家や大学教員が中心になって、理想の大学をつくったのです。授業は独自のプラットフォームを使ったオンラインで行われ、授業を学生の数は20人以下のため画面上で授業の参加者全員の顔が見えます。学生と教授の親密度を上げるには、1対数百人の講義を教室で行うより、少人数で、オンラインで顔を見ながら、強みや弱みを確認しながら進める方がよい、との考えからです。

 授業は講義形式ではなく、事前に課題を与え、授業では少人数のグループをつくり、学生が互いに学んできたことを共有し、不明な点を教授に質問するという形式を採用しています。「反転授業」と呼ばれるもので、この形式が効果的であることは研究事例でも証明されているといいます。

欧米では教育の在り方が大きく変化しつつある。近い将来、人間の仕事が人工知能(AI)に奪われると危惧されているのに対応するためです。米マサチューセッツ工科大学(MIT)では、大学院で幼稚園の教育アプローチを採用し始めました。幼稚園の学びのスタイルが、創造的な思考を育むからです。(『ライフロング・キンダーガーデン』ミッチェル・レズニック著/日経BP社) 日本の教育は、こうした大きな変化を捉えて変革が進んでいるでしょうか?

(聞き手は松本治人)

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