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年末、波乱含みの株式相場で注目度を高める投資先は? 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 前回(11月)更新分の本記事でも述べたように、10月の日米株価急落は米10年債利回りの急上昇が一因となった。そして本記事を執筆した12月5日、足下では米10年債利回り(米長期金利)の急低下が市場に暗い影を投げかけている。米長期金利と株価の関係性において、一体どちらが正解なのか。「どちらかが正解」ということではないのだとすれば、少なくともその基本的な考え方というものをまずは整理しておきたい。

 そのうえで、今後私たちはどのような姿勢で市場と向き合えばいいのか。先行きに対する不確実性が強まっていることで比較的大きく上下に揺れ動いている相場を前に、当面はどのような投資戦略で臨めばいいのか。ここで、あらためて考察しておくことも重要であろう。

 思えば、この1カ月の間に米中間選挙の結果が判明し、米中首脳会談も実現した。それぞれの重要なイベントを少しずつ材料として消化した市場では、日経平均株価が一時2万2700円近辺まで値を戻す場面があり(12月3日)、一部では「やはり今年も年末株高、掉尾の一振(とうびのいっしん)か」などといった声も再び聞かれ始めている。そんな矢先にNYダウ平均が1日で800ドル近くも押し下げる場面(12月4日)を目の当たりにし、それでも「何ら不安に感じることはない」などと言ったらウソになるだろう。

 そんな一抹の不安を解消しておくためにも、ここで再度の事実確認と将来予測を試みておきたい。

きっかけはパウエル議長発言

 良くも悪くも、日米株価の値動きに小さからぬインパクトをもたらしたのは現地時間11月28日の昼にNYエコノミッククラブで行われたパウエルFRB議長の講演内容であった。

 そのなかでパウエル氏は足下の米金利水準について「中立レンジを若干下回る」などと述べ、その一言が市場で「米利上げ打ち止め間近」と受け止められた模様である。結果、同日のNYダウ平均は前日終値比で600ドル以上の値上がりとなったが、その一方で同日以降の米10年債利回りはみるみる低下することとなった。

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