日経SDGsフォーラム

IT企業が支える持続社会 革新的技術が明日を変える

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 コンピューターや情報ネットワークを通して安全、安心に目配りして社会の諸課題を解決し、より良き世界へといざなうIT(情報技術)企業。存在そのものが持続的な社会を下支えする重責を担っているのは間違いない。私たちは革新的な技術に裏打ちされたサービスを当然のように享受しているが、その黒子の事業活動によって明日を作ろうとする姿勢をもっと知るべき時代になってきている。

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不自由のない生活 縁の下の力持ち

 企業には「なぜこの会社を設立したのか」を記す趣意書があり、その中には社会への貢献や奉仕という言葉が盛り込まれている。企業理念、ミッションなども同様だ。社会を良くしようとする志があってこそ事業基盤が成立する。これらはSDGsの17の目標、169のターゲットのどれかに関わる文言につながる。

 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)グループが2015年に策定した企業ミッションはこうだ。「明日を変えるITの可能性に挑み、夢のある豊かな社会の実現に貢献する」。本業を通じてどのように世の中に貢献するのか、企業活動の到達目標を表したものだ。

 ただ崇高な目標も同グループだけでは成し遂げるのは難しい。というのもBtoB(企業間取引)のビジネスが主体なため、取引先のニーズを明確に酌み取り、ソリューションを提供しないことにはミッションが完結しない。言い換えれば取引先の仕事を通してITの切り口でもってSDGsへ貢献するのが縁の下の力持ちであるCTCの姿なのだ。

 例えば、同社は四半世紀も前から気象予測をはじめ、スーパーコンピューターを使った風力・太陽光発電の出力予測の技術開発に取り組み事業性の評価や出力の予測情報サービスを手掛けている。高度な技術を伴うシミュレーションなしに事業化の是非を論じることができないからだ。再生可能エネルギーの要のノウハウだ。

 企業や自治体の情報システムを24時間、365日絶え間なく監視するセキュリティーシステムがあってこそ私たちは何不自由なく仕事や生活をすることができる。何でもない日常を見守り続けることこそが持続可能な生産と消費、そして新しい価値創造につながるはずだ。

 インタビューで菊地哲社長は「豊かな社会の実現を念頭に置かないと。私たちは何のために会社として存在しているのか」と噛(か)んで含めるように企業活動の在り方とSDGsの進め方の共振を語った。会社と従業員の意識を合わせる。気がつけばあらゆる面でSDGsに組み込まれているような仕事。それは従業員の誇りにもなる。急激に進むデジタル革命の中での働き方を示してくれる。(編集委員 田中陽)

非常食シェア、ITでマッチング
 SDGsは我が社を鍛えてくれる道場だと思っています。色々な問題を解決するお手伝いをする中で、私たち自身も努力し、成長し、進化していくことを後押ししてくれるとても大切な場です。「会社とはこういうものだよね」と気づかせる存在です。

 昨年、「新しい夢のあるものを創り出そう」と考えて未来技術研究所を立ち上げました。そこで現場の声を聞くと夢のあるものとして「SDGsがあります」と熱く語る若い従業員が何人もいました。その中の1つがフードロスの解消です。多くの人が閲覧してマッチングさせるのは、それこそITの出番であり、ITの力で解決できるものです。

 例えば会社や自治体で備蓄されている非常食。消費期限が迫った食品を管理してシェアしあえるような環境をつくることで、こうした食品を必要とする団体などに提供することが可能になります。ITによる需要と供給のマッチングはいろいろな分野で利活用され始めています。

 CTCが掲げた重要課題は3つあり、それぞれSDGsの目標と噛(か)み合うようになっています。「信頼できるITサービスの提供」は目標16の「平和と公正をすべての人に」に、「明日を変える人材の創出」は4の「質の高い教育をみんなに」や5の「ジェンダー平等を実現しよう」などに、「ITを通じた豊かで持続可能な社会の実現」は3の「すべての人に健康と福祉を」や7の「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」などにつながります。

 私たちの事業はなかなか目に見えにくいのですが、だからこそ挑戦しがいがあり、やり抜く価値があるのもだと確信しています。

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