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インフル対策、東洋医学は「腎」を補う 「鍼灸Meridian烏丸」中根一・院長に聞く(上)

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栄養学より味覚の生理的反応を重視

 肺タイプの対策としては、まず背中を軽く丸めながら肺の中に残っている空気を全部吐き出すことです。続いて背中を反らしながら、胸いっぱい酸素を取り込みます。横隔膜の奥に自律神経を整えるスイッチがあるので、深呼吸は「リラックス」「代謝促進」に良いのです。軽い運動などで汗がにじむようにすることも、肺を補うことにつながります。肩から浴びるシャワーは上半身の血流を改善し気を巡らせるので肺を補い、インフルエンザの予防につながります。

 ――どのタイプでも、中高年から年齢が加わると「腎タイプ」の要素が加わりますね。

 「腎タイプ」はスタミナを損ないやすく、体の活性が低下しやすい人です。年齢を重ねて体が衰えるということは、腎虚が促進することを意味します。大きな筋肉が備わっている足腰の筋力や柔軟性、細胞の代謝に関わるミネラルの濃度を調整している腎臓への血流量や働きが落ちることなのです。

 多くの方が便秘や頻尿などに悩まされることになるので、よく歩いたり、腰を温めることで下半身を活性させるのがポイントの一つです。適度に休息を取ってリラックスすることで下半身への血液量を増やすことも心がけて下さい。睡眠時間の確保が最優先なのは無論です。適度に運動しつつも、しっかり休息を取ることが腎を守る秘訣です。

――腎を補うにはどんな食事を心がけるべきでしょうか。

 西洋医学が栄養学を重視するのに対し、東洋医学では味覚によって起きる生理的な反応を重視します。極端な菜食主義や糖質制限などは逆効果と考え、甘い物も適度な量ならばおすすめです。

 東洋医学では食べ物の味を(1)引き締める酸味、(2)冷やす苦味、(3)気血を増やす甘味、(4)開放的に緩める辛味、(5)塩味と苦味でしんなりさせる鹹味、の「五味」に分類しています。腎を補う効果が高いのはミネラル補給に適した「鹹味」と、エネルギー補給の「甘味」です。

 食事の献立としてのオススメは、腎を養う豚肉を、味噌の鹹味、みりんの甘味の組み合わせで食べる「味噌カツ」。ネリガラシも付け加えれば、肺の働きも補われます。豚汁や味噌ラーメンなども、腎を補うことが期待できます。

 オススメしたいおやつは、適度な塩分とタンパク質だけのスルメイカ。あるいは、京都のお土産としても有名な「八つ橋」は、エネルギー補給の甘味と肺の働きを補うニッキが組み合わされた、絶妙な一品です。食べることでの養生は、意外にも身近なのです。

 (聞き手は松本治人)

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