勝ち抜く中小経営への強化書

注目されるフリーランス、その光と影とは? 日本政策金融公庫総合研究所 中小企業研究第一グループリーダー 藤井 辰紀

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「思いどおり」が満足度を高める

 この結果を労働時間の傾向と考え合わせれば、収入を重視する人は余暇の時間を多少犠牲にしてでも働き、私生活を重視する人は収入を多少犠牲にしてでも余暇を多く取る、という構図が浮かびます。余暇の時間と収入はトレードオフの関係にあり、人は自らの効用を最大化する働き方を採用します。フリーランスの特徴の1つとして、自由度の高さを挙げました。自由に働くからこそ、最も自分に合った収入と余暇のバランスを実現できるのです。

 実際、事業を始めて良かったことを類型別に比較すると、希望と成果がリンクしている様子がみてとれます。例えば、「収入が予想どおり増加」「自由に使える収入を得た」など収入関連の項目のうち1つ以上挙げた人の割合は収入重視型では39.4%と、仕事重視型(26.9%)や生活重視型(14.9%)を上回っています(表4)。同様に、「経験・知識や資格を生かせた」や「思いどおりに仕事ができた」など仕事関連の項目を挙げた人の割合は仕事重視型が、「時間に余裕のある生活ができた」や「個人生活を優先できた」など生活関連の項目を挙げた人の割合は生活重視型が最も高くなっています。

 仮に望みどおりの働き方をして、狙いどおりの成果を得ているとすれば、それだけ満足度も高いはずです。3項目について順に確認していきましょう。

 まず、収入についてみると、どの類型でも満足度はさほど高くはないものの、満足と答えた人の割合は、収入重視型が22.2%で仕事重視型(21.4%)や生活重視型(12.6%)を上回っています(表5)。続いて、仕事の内容ややりがいについてみると、満足と答えた人の割合は、仕事重視型で68.9%と、他の類型よりも高い。同様に私生活との両立をみると、満足の割合は生活重視型で60.7%と、やはり他の類型よりも高い。つまり、いずれの類型も、それぞれ重視する項目の満足度が他の類型よりも高くなっているわけです。

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