泉田良輔の「新・産業鳥瞰図」

Jリーグと世界のビッグクラブの差は埋まるか?(後編) テクノロジーアナリスト/GFリサーチ 代表 泉田良輔

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 前編ではJリーグを「経営」という観点から分析することで、その実態と課題を明らかにした。ここからは海外ビッグクラブとの比較を通じて、Jリーグが世界へ飛躍するための戦略について考えたい。

株式を上場している海外ビッグクラブの営業収益は浦和レッズの8倍

 海外ビッグクラブの経営に目を向けるといくつか大きな違いがあることがすぐわかる。まず、日本で株式を上場しているクラブはないが、海外ではイタリアの名門ユベントスのように上場しているケースがあることだ。ユベントスは日本人にはお馴染みのビッグクラブだろう。今シーズンはクリスティアーノ・ロナウドをレアル・マドリッドから獲得して注目を浴びている。

 2018年6月期におけるユベントスの営業収益は5.05億ユーロ(1ユーロ=128円換算で約650億円)と、Jリーグで最も営業収益が大きな浦和レッズの約8倍もある。営業損失は143万ユーロ(同1.8億円)と見栄えは良くないが、2017年6月期には6738万ユーロ(同86億円)を計上しているので、常に損益が厳しいわけではない。どちらかというと最近は改善する傾向だ。

 ユベントスは、2006年5月に発覚したいわゆる「カルチョ・スキャンダル」により、2006/2007年シーズンにセリアAからセリアBへ降格。ただ、1年でセリアAに昇格し、その後、2011/2012年シーズンから2017/2018年シーズンまでは7年連続リーグ優勝を果たすまでになった。

 下図に示すように、2011/2012年シーズン以降、同クラブの営業収益(Total Revenue)は大きく拡大している。これはユベントスの成績が好調であったことに加え、クラブ所有のスタジアム「ユベントス・スタジアム(アリアンツがネーミングライツを取得したため、2017年からアリアンツ・スタジアムと呼称)」が2011年9月にオープンしたことによる。この新スタジアムは4万1000人を収容することができる。営業損益(Operating Income(loss))は前述のように改善傾向である。

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