フィンサム2018&レグサム特集

「脱ハンコ文化で成長めざす」 弁護士ドットコム 執行役員 橘 大地氏に聞く

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 日本経済新聞社が9月に金融や法務とIT(情報技術)の融合をテーマに開催した「フィンサム2018&レグサム」に関連し、参加企業のキーパーソンに最新動向を聞いた。弁護士ドットコムが提供する契約締結サービス「クラウドサイン」は、2015年10月のリリース以来、導入企業が早くも3万社を突破し、国内シェアは約80%に達する。同サービスの責任者を務める執行役員で弁護士の橘大地氏は「クラウドで契約を簡単にしたい」と、さらなる成長に意欲を示す。

――クラウドサインはどのような経緯で立ち上げたのですか。

 もともと私は企業法務専門の弁護士として契約交渉などを行っていましたが、往々にして交渉の時間よりも締結作業の方に時間がかかってしまうことを実感しました。テクノロジーを活用してそれを解決できないかと考え、このサービスが生まれました。

 日本にはハンコ文化が根強く残っています。しかし、契約締結を紙と印鑑で行わなければならないという法律はありません。それなら、インターネット上ですべて行ってしまえばいいのではないか、法的にも担保できる形で契約締結を容易にするシステムを構築すればいいのではないかという発想です。

――導入企業には何が評価されたと思いますか。

 正直、われわれもハンコ文化に対する変化がどれくらいのスピードで起こるのかわかりませんでした。IT関連の企業にはすぐに受け入れてもらえると思いましたが、例えば不動産業などは10年かかるかもしれないという懸念がありました。しかし、リリース当初はなかなか理解の浸透には苦労し、3カ月くらいはかなり伸び悩みました。そんな中でもIT企業は比較的導入に柔軟で、サービスの利便性をご理解いただけると、「クラウドサインにはメリットしかない」というようなうれしい感想をSNSなどで拡散していただき、6カ月目くらいでしょうか、徐々にほかの業種にも広がりはじめてからは、特に金融、人材、不動産、建築の4業種の伸びが顕著でした。これまでクラウドサービスを導入したことがない企業がほとんどで、ペーパーワークが非常に残っていたということもあり、クラウドサインが注目されやすかったのだと思います。

 クラウドサインは使い方がシンプルで、契約書をアップロードし、それに記入して相手のメールアドレスに送るだけというもの。受け取る側はパソコン、スマートフォン(スマホ)、タブレットなどで、いつでもどこでも見ることができるという簡便さも受け入れられました。

――サービスの料金体系は。

 月額固定料金が1万円で、契約締結1件につき100円という非常にシンプルな価格設定です。ユーザー数も月々の契約締結件数も制限はありません。ちなみに紙の契約書は郵送費が140円です。それだけでも大幅に予算を抑えられます。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。