フィンサム2018&レグサム特集

「テクノロジーで日本の資源ビジネス変える」 アイデアソン日経賞受賞 レコテック代表取締役 野崎衛氏に聞く

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 日本経済新聞社が9月25~28日に東京・丸ビルなどで開催した「フィンサム2018&レグサム」内のコンテスト「レギュラトリーサンドボックスアイデアソン」。レギュラトリーサンドボックスとは既存の規制にとらわれることなく、新技術などの実証を行うことができる制度で、このアイデアソンでは、人々の生活がより良くなるようなイノベーションを目指して、社会的に高付加価値のある革新的なアイデアやビジネスモデルなどを競った。書類選考を通過した22チーム(個人および法人)が4分間のピッチスライドを発表し、内閣府関係者含む5人の審査員により、環境ビジネスソリューションを手がけるレコテック(横浜市、野崎衛代表取締役)のビジネスアイデア「MPS(マテリアル・プール・システム)による静脈資源循環システム」を、唯一のアワードである「日経賞」に選出した。野崎氏にアイデアの詳細と今後の展望を聞いた。

ごみ処理の視点を排出側から再利用者側に切り替える

――「日経賞」受賞おめでとうございます。

 ありがとうございます。紹介を受けて参加したのですが、「フィンサム2018&レグサム」の中で当社のビジネスは分野が異なり、MPSを理解してもらえるだろうかという不安がありましたので、賞をいただいてとてもうれしく感じています。

 受賞後に、オランダのあるスタートアップから「ITと廃棄物処理を組み合わせる点で我々と同じことを考えている」と話をかけられるなど、いろいろな人たちと交流することができたことにも感謝しています。

――「MPS による静脈資源循環システム」について説明してください。

 国内の家庭や店舗から排出される一般廃棄物のリサイクル率はおよそ20%と、先進国の中でも極めて低い水準です。どうしてこうなるかと言うと、日本はほとんどのごみを焼却しているからです。一般にはあまり知られていませんが、日本は世界中にあるごみ焼却炉の7割を保有する国であり、その整備や稼働に多くのコストをかけています。東京23区だけでも、ごみ処理コストは年間1500億円を超えると試算しています。この廃棄物処理コストを何とか削減できないか、再利用できる廃棄物をきちんとリサイクルできる仕組みができないかと考えたのがMPSのきっかけです。

 まず、廃棄物が発生する事業所や店舗などに配布されたシステムから発生するごみの量や種類を入力してもらい、集計します。集積されたデータを位置情報と合わせ、効率的な回収ルートを算出し、ごみをリサイクルする処理施設と共有し、搬送します。

 例えば、東京・渋谷のある地区で、毎日、生ごみ15トン、プラスチック10トンが発生するとしましょう。MPSはこの廃棄物を詳細にマッピングすることで、ごみを「見える化」するのがポイントです。ごみの発生状況がマップ上で見えるようになれば、渋谷区でのごみ発生量を高精度に予測したり、オンデマンドの自動運転で効率的に回収・搬送するシステムを構築したりできます。商品や生鮮品を生産・製造して小売段階まで運送するサプライチェーンを動脈とすれば、動脈を経た廃棄物を材料ごとに資源として活用する静脈の循環を作り上げるというのがMPSです。

 ただし、国内では廃棄物処理に関する「廃棄物の処理および清掃に関する法律」(廃掃法)があり、許可を受けた業者以外の新規参入ができない仕組みになっています。レギュラトリーサンドボックスによりMPSを現実化していきたいというのが、私たちのアイデアです。

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