ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

「イノベーション」の本質を読み解く21世紀の名著 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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 「イノベーション」という言葉を耳にしない日はないだろう。20世紀を代表する経済学者のシュンペーターは、企業者の行う不断のイノベーションが経済を変動させるという理論を構築した。今日では技術革新のみならず、新たな価値を生み出して社会的に大きな変化を起こすことに「イノベーション」という言葉は使われている。数多いイノベーション関連本から、ビジネスパーソンにとって逃せない名著3冊を紹介する。

■「イノベーションへの解」C・クリステンセン/M・レイナー著

 ――21世紀におけるイノベーション論の原点はどこにあるのでしょうか

 世界的なベストセラーになった「イノベーションのジレンマ」(翔泳社)でしょう。ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授は「優良顧客のニーズを満たし、最も収益性のある分野に集中的に投資する『正しい経営』を行うがゆえに、企業は衰退することがある 」という説を展開しました。1997年の発刊から約20年間、イノベーション論の話題の中心には、いつもクリステンセン教授がいました。「イノベーションへの解」(同)はその続編です。

 ――イノベーションには2種類あることを説いていますね。

 1つは従来よりも優れた製品を出す持続的イノベーション、2つ目は既存製品ほど優れてはいないが、機能を絞って使い勝手を良くしたり、価格を安くした破壊的イノベーションです。それほど要求の厳しくない顧客や新しい顧客に注目されると、後者の製品市場が急拡大する可能性があり、既存製品を作っている企業を滅ぼす(破壊する)可能性がある、ということです。

 ――企業のマーケティング担当者は既存顧客を属性などで分類し、細分化した市場に対してどのような機能を追加するのか、価格ラインをどうするのかといった点を検討しますが、盲点があるわけですね。

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