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10月に急落の日本株、年末に向け有効な投資戦略とは? 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 10月の日本株市場は大荒れの展開となった。日経平均株価は同月初めに一時2万4448円まで上値を伸ばす場面があり、ちまたは「27年ぶりの高値水準」と歓喜にわいた。ところが、ほどなく下落基調に転じてからは一時2万1000円割れを試す水準まで下押す場面もあり、その間の下落スピードはまさに記録的なものであった。

 結果、日経平均株価の「株価収益率=PER(今期予想)」が一時12倍台前半(平時は13.5~16.5倍程度で推移する)、東証1部の「騰落レシオ」が一時71%台(80%を下回れば下げ過ぎと判断される)に低下するなどという異常な状況を目の当たりにしたこともあり、さすがに月末の30~31日には2日で計770円ほど値を戻すこととなったが、果たしてこの先の株価は大丈夫なのか。やはり、米・中間における貿易戦争の悪影響は想定以上に深刻なのか。10月の株価下落は、市場の一部で囁(ささや)かれる「終わりの始まり」ということなのか。

 ここで、あらためて10月の株価下落の原因やそのメカニズムについて冷静に分析し、そのうえで年末・年始に向けた株式相場の行方について展望しておきたい。

急落した日本株の10月安値はサイクル・ボトム

 「『米中間選挙が行われる年の株価は年末にかけて一段高になる』という市場のアノマリーは一体どこへ行ったのか?」と少々憤慨しておられる向きもあるかもしれない。確かに、筆者も本連載の前回ならびに前々回記事において「年末株高のアノマリー」について文中で触れている。

 ただ、かねて市場には「米中間選挙前は株安」という経験則があることもまた事実。実際、今年の8月は9年連続で海外投資家が日本株を売り越した結果、一時的にも大きく日経平均株価が下押す場面もあった。逆説的だが、10月初旬に株価がいったん大きく上昇した局面では、一部に「米中間選挙前に株高になってしまうと、むしろ年末株高には期待できなくなってしまう」と懸念する市場関係者さえ存在した。そして、結局は米中間選挙を目前にして日米の株価がともに記録的な下げを演じ、良かれ悪しかれ、今回も市場の経験則がモノを言うこととなったわけである。

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