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デジタル時代を勝ち抜く営業に必要な三つの原則

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 日本経済新聞社(東京・大手町)が2018年10月16日に開催した日経BizGateセミナーでは、「顧客管理(CRM)を強化し売り上げを向上させる方法とは」というテーマに基づいて6人の専門家が講演した。特別講演ではガートナー ジャパンの川辺謙介氏(リサーチ&アドバイザリ部門 顧客関係管理/カスタマー・エクスペリエンス管理 リサーチ ディレクター)が登壇。「デジタル時代を勝ち抜く 営業成果を高めるための3原則」と題して、デジタル時代における顧客の変化と対策に必要な三つの原則について解説した。

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デジタル時代における顧客の変化とは?

 デジタル時代が本格化して起きた変化を、顧客から見ると、大きく分けて「(1)ソーシャル」「(2)ビジネス」「(3)テクノロジー」という三つの領域に整理できます。

 まず「(1)ソーシャル」では、顧客の世代交代による社会の大きな変化が起きています。私どもが世界的に行った調査では、現状のビジネスパーソンとこれから社会に出る若い人たちとの間に五つの相違点がありました。若い人たちには「すぐには相手を信頼しない」「セルフサービスを好む」「形だけの境界を意識しない」などの特徴があります。こうした次世代の顧客に備える必要があります。

 「(2)ビジネス」では、顧客がこれまでにない新しいビジネスを求めるようになると言われています。2000年ぐらいまではウエブを使ったビジネスが注目されるなど「ウエブ」の時代と位置づけることができます。それが2000年ごろからは電子商取引にビジネスの重心が移行して「E-ビジネス」の時代を迎え、2005年ぐらいからはITがマーケティングに積極的に活用される「デジタルマーケティング」の時代になりました。そして2017年ぐらいからビジネス自体をデジタル化する「デジタルビジネス」の時代に入ったと言われています。

 それに続いて2025年ぐらいから到来すると予想されるのが「自らやってくるコマース」の時代です。これは、ある意味で究極の形かもしれませんが、顧客のところへ必要な商品・サービスが自らやって来るようになる状態です。多くの企業は目下のところ、「デジタルビジネス」への対応を進めていると思いますが、こうした中長期的な変化への対応についても検討が必要になっています。

 「(3)テクノロジー」では、CRM(顧客関係管理)関連においてデジタル技術を活用した“エクスペリエンス”に注目が集まるという変化があります。ガートナーは、ハイプサイクルと呼ぶ、個々の技術における期待度と時間の相関を示すチャートを提供しています。日本におけるCRM関連のテクノロジーでについてハイプサイクルを作成すると、「モノを売る」以上に「顧客へエクスペリエンスを提供する」ための技術が注目される傾向が全体としてあることがわかります。

 一方で残念ながら、営業現場においてSFA(営業支援システム)のような先端ITがあまり積極的に活用されない傾向もあります。多くの会社がSFAを利用していると思いますが、“やらされ感”があるのです。たとえば、「報告」のためにデータをSFAへ入れているだけで、自分の業績を高めるためとは限らない、営業プロセスが複雑化してソリューション型の営業に変わっているため情報の入れ方が難しくなった、そして人手不足のせいでもありますが、入力したデータへのフィードバックがなくどう役立っているのかがわからないなどが原因で、現場の営業担当者の士気が上がらなくなっています。

 とりわけ、営業の現場が目先の課題にとらわれすぎて、長期的で合理的な計画が立てられない傾向にあるのは、一番大きな問題ではないかと思います。

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