フィンサム2018&レグサム特集

「トレーディングにイノベーションを起こす」 ピッチ・ランで入賞したAlpacaJapanの北山朝也氏に聞く

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国内7社と協業しながら常に技術をブラッシュアップ

 ――2016年3月には、邦銀初のフィンテック・アクセラレータープログラムであるMUFG FinTechアクセラレータ・プログラム企業に選ばれました。

 現在に至るまで、MUFGグループだけでなく、松井証券、じぶん銀行など国内7社と協業しながら研究を進め、常に技術をブラッシュアップし続けています。スタートアップ企業として、その分野で知見をもつ企業と協業できることのメリットは、本当に大きいです。

 優秀な人材の確保もまた、我々の大きな課題です。世界最高レベルの技術をもつエンジニアチームはもちろん、あらゆる知見・ノウハウをもった金融のプロフェッショナルチームも必要です。16年の11月には、バークレイズ証券などでキャリアを積んだ金融ビジネス立ち上げのプロ、四元盛文氏を最高経営責任者(=CEO。当時はCFO)として迎えました。金融の分野でグローバルなビジネスを展開する準備をスピーディーかつ着実に整えています。

 ――今年5月には、市場予測アプリ「AlpacaForecast AI Prediction Matrix」の提供を開始しました。

 ブルームバーグ情報端末から、主要マーケットの短期予測をリアルタイムで確認できるアプリです。画像認識や動画認識で培った技術を活用することで、従来、人の目では認識することのできなかったTickの発生パターンの解析を可能にしています。対象は、米ドル・円、ユーロ・米ドル、豪ドル・円、米国10年債など。月の利用額は650ドル(約7万3000円)です。予測の精度は55%から60%で、公開されている短期予測モデルとしては世界最高水準を誇ります。

 このアプリがユニークなのは、ブルームバーグ端末をもっていれば、誰でも使えるところです。本来、こうしたマーケット予測アプリは、特定の企業に向けてのみリリースされることがほとんどなのです。

 ――今後、どんな成長戦略を描いていますか。

 いよいよ、本格的にグローバル市場に打って出る段階がきたと思っています。すでにシンガポールとニューヨークにはセールスチームを立ち上げました。近いうちに、ロンドンにもセールスを開始する予定です。為替市場では東京、ロンドン、ニューヨークの3つのマーケットの時間帯において、当然Tickのパターンも違います。そうした違いをうまく吸収して、世界中のマーケットで機能する市場予測サービスを提供したいです。

 ブルームバーグ端末で提供する市場予測アプリ「AlpacaForecast AI Prediction Matrix」、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)接続によりクラウド上などで利用できる市場予測アプリ「AlpacaForecast」、中長期市場予測を実現するために現在開発中の「AlpacaRadar」。これらを強みとしながら、これまでに以上に積極的に国内外の金融機関、企業とのAIソリューションビジネスを展開し、さらなる成長を遂げるため、貪欲に歩み続けます。

(木村貴)

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、技術、プレーヤー、イノベーション、フィンテック、ICT

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