長島聡の「和ノベーションで行こう!」

ビッグデータで移動を快適・安全に 第20回 スマートドライブ 北川烈CEO

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東南アジアや地方にチャンス

長島 最近、中国に研究所をつくったそうですが、どんな活動をしているのですか。

北川 中国の深圳にオフィスを間借りしています。今年7月にオープンしました。株主でもある産業革新機構と日中経済協会で主催している日中のベンチャー交流会に参加するため、深圳に7年ぶりに行ったらショックを受けました。人もお金もスピード感があって、どんどん技術が進んでいて日本では感じられない空気がありました。そこで2つ考えたのですが、1つはスピード感を持たないとグローバルに置いていかれる、という危機感です。中国で人を雇って技術開発をするより、我々の技術と相性がいい技術、例えば顔認識や画像認識の会社と技術提携して、彼らのスピード感に負けないようにそこで培った技術を東南アジアに展開していきたいと考えています。

 2つ目はハングリー精神です。学生の時に深圳の工場で研修したのですが、給料をもらってオペレーションの改善などに取り組んで2ヵ月弱ぐらい滞在しました。帰国する際には「もっとここで働かないか」と引き留められました。結局、断って帰国したのですが、当時から深圳の人々のハングリー精神がすごいなと思っていました。優秀な人材には5年間先に給料払うとか、地方出身者は村の人たちが応援してくれたので成功せずには帰れない、といったモチベーションがあって、言葉の節々から海外から出張で来ている人たちに後れを取るわけにはいかない、と言われているような強烈な印象を受けました。

長島 弊社でも移動を通じて経済を活性化しよう、という取り組みを始めています。都市の人が田舎に行きたくなる、田舎の人が都会に出たくなる、といった移動の目的や理由を生み出すような仕組みを考えています。「みんなで動こう」という社内ベンチャーで、スピードと熱意を大事にしています。

北川 スマートドライブの顧客も地方が多いです。企業の車の使い方にはまだまだ無駄が多くて、稼働していない時間も結構ありますし、電車で行けば30分のところを車で2時間かけていくこともあります。そこでモーダルシフトして、電車とカーシェアの組み合わせなどを提案しています。自治体と組んで、地区にある小学校の周辺の危険運転が多いエリアを抽出することも取り組みましたが、これを進めていけば政策提言につなげられるのではと考えています。また、高齢者の見守りサービスも、将来の免許返納やペーパードライバーの運転診断などに活用できると思っています。

 話が少しそれてしまいますが、弊社の社外取締役など数名で発起人となって立ち上げた東北でのマラソン大会があります。ワインを飲みながら走るメドックマラソンのように、東北で復興支援のための日本酒マラソンをやっています。最初はスポンサー集めにも苦労しましたが、地域が活性化されて支援になるということにご理解いただき、今年3月の大会は延べ5万人以上が来場してくれました。

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