日経SDGsフォーラム

SDGs できることから始めよう 日本企業の重要な経営課題に

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 SDGsに日本企業も前向きに取り組み始めた。海外の機関投資家の中には、SDGsに消極的な企業は投資対象から外す動きも出ており、避けて通れない経営課題だ。ただ具体的に何をすべきか悩む企業も多い。SDGsのテーマは幅広いので、自社の得意分野もあるはずだ。まずはできることから始めたらいい。

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環境・医療の債権、過半を引き受け

 大和証券の社会貢献的な活動は46年前に設立した大和ヘルス財団までさかのぼる。さらに25年前に設立した大和福祉財団を通じて、SDGs的な活動を続けてきた。こうしたDNAがあったためか、調達した資金を医療や自然保護などに充てる「インパクト・インベストメント」と呼ばれる債券の発行業務でも、大和は同業他社に先行している。2008年に初めて、ワクチンボンドという新興国の医療支援のための債券発行を手掛け、以来、自然保護のためのグリーンボンド、水資源保護のためのウォーターボンドなどで相次ぎ主幹事を務めた。この分野での引き受けシェアは50%を超えている。

 証券会社は株式、投資信託など、いわば形のない商品を売っている。どのように世の中に役に立っているのか、わかりにくい面があるのも事実だ。ワクチンボンドのような商品は、集めた資金の使途が明確なため、趣旨に賛同する多くの投資家から応募があった。このほど日本で初めて登場する、住友林業のグリーン転換社債でも、大和は主幹事を務めることになった。

 証券会社は個人投資家との接点が多いので、個人を巻き込んだSDGs活動を展開できれば、小口ではあるものの、幅広く、末永く運動を起こすことが可能になる。そこで注目されるのが大和ネクスト銀行の応援定期だ。受け取る利息の一部を福祉施設や子供食堂の支援やスポーツ用義足などの購入補助などに充てる仕組みで、大和も同額を上乗せし、子供や障害者の方の役に立てている。

 また大和証券は女性の活躍を後押しする会社としても有名だ。いち早く女性役員を輩出し、今は117支店のうち23支店で女性が支店長を務めている。新卒採用ではここ数年、女性の方が多いくらいで、女性が働きやすい会社として毎年のように表彰されている。

 大和の中田誠司社長は「SDGsは17の目標と169のゴールを定めている。いずれも誰もが納得するような内容であり、どこの企業や個人でも、1つや2つは取り組むことができる分野が必ずある」と語る。できるところから始める、それを継続する。そんな企業が増えてくれば、日本でもSDGsの波は大きなうねりとなるだろう。(編集委員 鈴木亮)

マーケットでの利益、社会に還元――
 日本には100年以上続く、息の長い会社が多いです。会社が長く存続するには、利益を安定して挙げ続けるのはもちろんですが、社会の役に立っている会社だと、顧客や従業員が認識している点も重要です。そう考えると日本の会社は本来、SDGs的な素地が十分あると思います。

 SDGsが国連で採択されたのは2015年ですが、当初日本ではなかなか浸透しませんでした。1億総中流社会ではないですが、貧困と言われてもピンとこない人が多かったかもしれません。しかし現実には日本でも子供の7人に1人は貧困に直面しているのです。

 私たち証券会社はマーケットに立脚して存続しています。市場経済や資本主義が格差を生む一因になっているのだとすれば、ここから得た利益の一部を貧困などの解消に役立ててほしいと考えるのは、自然なことでしょう。

 大和ネクスト銀行が始めた応援定期は、こうした考えに基づく商品で、私自身も難病と戦う子供たちをサポートするコースに申し込みました。証券会社と投資家やお客様が協力し、広くあまねく参加できるような商品は、SDGsにふさわしいと思います。

 新興国支援では、20年以上前からミャンマー証券市場の開設を支援してきました。経済的に厳しい状況の時も大和証券グループが変わらず応援し続けたことを、ミャンマーの国民はとても喜んでくれました。

 今後は積立型の少額投資非課税制度(NISA)でも、収益の一部を何らかの形で寄付に充てるような仕組みを考えたいです。そのためにも、つみたてNISAの非課税措置の恒久化は大前提になりますね。

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