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フェルメール、盗難情報に1000万ドル 忙しいビジネスパーソンのためのアート講座(1)

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 この秋話題の「フェルメール展」が、5日から東京・上野の森美術館でスタートした。「光の魔術師」との異名を持つヨハネス・フェルメール(1632-1675)は、今やレオナルド・ダビンチと並ぶ日本で最も人気の高い西洋画家だ。しかし、本格的なフェルメール研究が進んだのは近年に入ってからで、残されたナゾも少なくない。寡作ながら盗難・贋作(がんさく)の災難にあうことが多い数奇な運命の画家でもある。「消えたフェルメール」(インターナショナル新書)の著者で米ニューヨーク在住の朽木ゆり子氏に聞いた。

 国際ビジネスの場面などで、教養としてのアート知識が求められています。日々忙しいビジネスパーソンに、今話題のアート情報をお届けします。

フェルメール人気の秘密は透明感と希少性

 ――フェルメール展では合計10作品が来日します。人気の秘密はどこにあるのでしょうか。

 まず作品が持つ色彩と透明感、絵柄の分かりやすさでしょう。鑑賞していて高尚さが自然に感じられ、気持ちが落ち着くという、日本人が考える西洋美術のイメージに沿った画風です。同じオランダ画家でも、レンブラントのように心がかき乱されるような複雑さは感じません。

 少女や女性など市井の人々の題材が多く、日本人にとって難解な宗教性がないのも、大きな理由です。一番大きな理由は、恐らく全部で三十数点しかないという希少性です。めったに見られないものを見たという、鑑賞した後の満足感が倍加します。欧米でもフェルメールの全点踏破は人気があります。

 ――しかし生存中のフェルメールは無名の画家にすぎませんでした。

 裕福なパトロンがついていたものの、死去した当時はパン屋に3年分のパン代の借金があったといいます。フェルメールは子だくさんで、合計11人の大家族でした。その後も、ごく少数のマニアックなファンに知られているだけの存在でした。

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