パワーハラスメント

今や労災にも認定、職場でのパワハラ対策が急務に クオレ・シー・キューブ 岡田 康子、稲尾 和泉

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 今や世の中に広く認識された「パワハラ」。その言葉を作ったクオレ・シー・キューブ 岡田 康子、稲尾 和泉の両氏が最新動向を踏まえて、『パワーハラスメント<第2版>』(日本経済新聞出版社)を著しました。今や社会問題化し、労災にも認定されるようになったパワハラについて企業が配慮すべきポイントは何でしょうか。

◇ ◇ ◇

(1) パワハラ相談は急増している

 近年、雇用形態や経済環境の変化を背景に、労働問題が全般的に増加しています。厳しいグローバル競争が続き、大企業であっても経営統合や事業の切り売り、外資系企業による買収などが相次いでいます。企業や労働者を取り巻く環境が激変するなか、パワーハラスメント(以下パワハラ)問題がますます注目を集めています。

 厚生労働省が発表している2017年度の個別労働紛争解決制度の施行状況によると、総合労働相談の件数は110万件あり、そのうちもっとも相談が多いのが「いじめ・嫌がらせ」に関するもので、7万件を超える相談が寄せられています。実は過去6年間、この「いじめ・嫌がらせ」、つまりパワハラ関連の相談が1位となっているほど、深刻な状況です。

 「解雇」や「自己都合退職」に関する相談よりも、パワハラの相談が多い理由は複数あると考えられます。

 2017年3月に厚労省から公表された「職場のパワーハラスメントに関する実態調査報告書」によると、1000人以上の大企業ではパワハラ対策も進み、相談窓口の設置等も進んでいることがわかります。一方で、企業規模が小さくなればなるほど対策は進んでおらず、99人以下の小規模企業では実に26%しか対策を実施していません。こうした企業では、お互いに顔がわかってしまうくらいの小人数のため、たとえハラスメントを受けていても社内では相談しづらく、労働局や労働基準監督署、弁護士といった外部資源に頼るしかないのが実情と考えられます。

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