長島聡の「和ノベーションで行こう!」

中小の成長支えるITビジネスとは? 第19回 コアコンセプト・テクノロジー 金子武史CEO・田口紀成CTOに聞く

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長島 どうやってこの人っていう方を見つけるのですか。

金子 偶然ですね。多く訪問して、たまたま巡り会えたという偶然の縁です。最初はコミュニケーションしづらいかなと感じても、仕事をすると抜群というエンジニアもいます。

田口 我々の仕事に入ってもらうと、変わるパートナーがいます。最初はどこまで能力を発揮していいかを測りながら、遠慮しているのですが、自分が思った通りに動いていいんだと分かった時、覚醒するパートナーがいます。その時の生産性は通常と全く違ってきます。

長島 能力を発揮できる場を作るということですね。どう作ればいいのでしょう。

金子 一例ですが、金融業界から製造業担当に移ってもらったメンバーがいます。この人は数学に強くて金融でも優秀なエンジニアでしたが、製造業担当に変わって更に生産性があがりました。もともとポテンシャルがあったのだと思いますが、自分でも気づかなかったのですね。たまたまその力は金融より製造業の開発に向いていた。IT業界では、経歴書などで過去の経験を重視する風潮がありますが、ポテンシャルの試行など発展性のある環境にしていきたいですね。

経済性、外部評価、活気の3つを重視

長島 新たな経営の指標を作ろうとしていると聞いたのですが。

金子 完成していませんが、取り組んでいます。その思いは、良い会社にしていきたい、ということ。しかし、そもそも良い会社の「良い」とはどういうことかを考えました。

例えばキーエンスという企業は世界トップクラスの経済性を実現している1社です。どうやってこれほどの企業がつくられてきたのか、非常に興味がありました。そのメカニズムを理解できれば、自社のかじ取りにも大いに参考になる。指標を作るには、外にも目を向けて、結果につながる方法で進めていければと考えてきました。

 現時点での結論ですが、3つの軸が重要と思います。3つとは、「経済性」と「外(顧客・市場)からの評価」と「内(社員・組織)の活気」。この3つをバランス良く高めていくことが良い経営ではないか、これが今の見解です。

 この考えをもとに、経済性であれば、売り上げ増よりも「社員1人当たりの付加価値増(利益額増)」を重視して見るようにしました。過去、売り上げを伸ばすことを漠然と志向してきた時期もありましたが、今は1人当たり利益をとらえるようにして、経営が安定化しました。また、外からの評価では「顧客仕入れ先としての弊社の順位」を重視しています。取引の金額ではなく、序列です。顧客の戦略的1社になれるよう、No.1かNO.2の仕入れ先になるまで粘り強く序列をあげるよう各事業に伝えています。

田口 経営指標の見える化の1つとして、計数管理表というものがあり、事業部ごとに毎週リポートしています。今週はどれだけ売り上げがあって、月末はどれぐらいになるか、来月はどうかと事細かに書いて、最終的にサマリーで社員1人当たりの利益がどれくらいかのデータ推移が出ています。これは事業部長だけでなく、エンジニア一人ひとりが利益を意識しながら仕事をして欲しいからです。

 もう1つ重要なのは評価システムで、ちゃんと給与に反映されるという仕組みです。そこを実感してもらえると、頑張る意味が出てくるのでモチベーションに変わっていくだろうと考えています。

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