ZEBが実現する省エネルギー社会

【特別講演】加藤 美好 氏 ZEB普及拡大への課題とその対応 水素が切り開く日本の成長戦略とスマート社会

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 約10年前、ZEBの黎明(れいめい)期には「本当にできるのか」が話題の中心だった。まず2014年に横浜の技術センターに1277平方メートル、地上3階の研究棟を建設した。コンセプトは「ゼロエネルギー」だけでなく「いきいきオフィス」、事業継続計画(BCP)への対応で「ひとつ上の安心」とした。3年連続でZEBを達成したが、年間のエネルギー収支をゼロにするのは容易でなく新技術が必要になることも分かった。

 15年にZEBの新定義が出て、導入しやすい「ZEB Ready」の普及に目を向け、ZEB実現の計画・評価ツール「T─ZEBシミュレーター」を開発した。立地の創エネポテンシャル、省エネ技術、ランニングコストの削減の3つの評価軸で検討できるツールだ。

 さらに既存ビルのZEB化を目指し札幌支店を改修した。照明に注目してLED化とセンサーを活用した制御で元々の高い省エネ性能を上げた。2月に博多で竣工予定の国内初となるZEB新築テナントビルでは、建設現場の仮囲いにもZEBをアピールする文句を博多弁で書き込んでPRして盛り上げている。

 ZEB普及で重要なのはオーナーの投資意欲。自社ビルなら省エネ化のコスト増を維持費で回収できるが、テナントビルの、特に改修の場合、オーナーがメリットを享受しにくい面がある。そこに対し当社は新築ZEB Readyなら10%程度のコストアップで実現できることを強調し提案している。今後は画一的な設計だけでなく、独自の技術や使い方を盛り込むなど「魅力あるZEB」を実現しなければと考えている。

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