ZEBが実現する省エネルギー社会

【特別講演】中村 真 氏 ZEB時代に向けた建築設備のイノベーション

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 当社のZEBの取り組みは、2013年に技術研究所の新研究棟で要素技術開発を目的に地中熱、太陽熱、太陽光の活用で始まった。15年に既存の研究棟を改修しZEB化による省エネと快適性の両立に挑戦した。

 その知見を生かして、16年春に九州支社を建て替えZEB化を図った。コンセプトは「人と地球が共存できる」こと。建設に当たって再生可能エネルギーの有効利用、光と空気と水の活用、従来以上の快適さの追求に力点を置いた。とりわけ工夫したのが地中熱の利用だ。水を満たした鋼管を埋める採熱鋼管杭、一般的なダブルUチューブ方式、地中を深く掘れないことを想定した水平熱交換器と3種の地中採熱法を採用した。

 さらに冷温水管による駆体蓄熱を使い、建物を冷やしたり温めたりすることで空調機器の能力を約7割程度削減した。さらに照明と空調、防災設備をユニット化したシーリングフリーを開発して天井に配置した。

 実用化1年の省エネ効果は53%。発電分を差し引けば7割程度の省エネ効果だ。快適性の評価では空気環境はおおむね満足、光環境に関しては満足と不満が明確に出た。不満の要因は、手元の暗さと室内の陰影差が大きいこと。手元はタスクライトを各自が選択して設置することで解決したが、明るい部分と暗い部分の差は埋めにくいと感じた。

 今後も継続的に改善を図っていく方針で、ZEBリーディングオーナーとして内容を公開していく。またZEBプランナーとして、九州支社での知見をもとに企画・設計から運用支援まで提供する体制を整えている。

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