官民連携と地域連携で実現する地方創生~実装に入った地方創生~

パネルディスカッション SDGsが加速する地方創生

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<パネリスト>

遠藤 健太郎 氏(内閣府地方創生推進事務局 参事官)=写真左上

谷 一之 氏(下川町長)=写真右上

阿部 守一 氏(長野県知事)=写真左下

五十嵐 立青 氏(つくば市長)=写真右下


<コーディネーター>

村上 周三 氏

各地でモデル事業進む 政府、成功例創出を支援

村上(コーディネーター) SDGsの取り組みの状況を聞きたい。

 下川町は面積の88%を森林が占める小規模自治体だ。森林共生社会を目指し、SDGsを取り入れた自治体政策体系づくりに着手し、人口減少の緩和など結果が出ている。SDGs推進本部から内閣総理大臣賞を受賞した。

阿部 長野県の総合計画の特色は「学びと自治」。全面的にSDGsの取り組みを意識した。質の高い教育、クリーンなエネルギー利用、友好交流している中国河北省、韓国江原道との3極連携でSDGsの達成を目指す。

五十嵐 つくば市は、筑波大学を中心とした日本の研究開発の拠点。持続可能な都市ビジョンに基づいて、政策を整理。総合計画「未来構想と戦略プラン」を改定し、SDGsを軸にした市政運営を行っていく。

遠藤 政府は優れた取り組みを「自治体SDGsモデル事業」として資金的に支援。成功事例の創出をサポートする。自治体にはSDGsを地方創生につなげる取り組みを期待する。

パートナーシップ重要 自治体の独自性生かせ

村上 SDGsの背景の1つに、環境や社会、企業統治への取り組みを評価する「ESG投資」がある。長期的な投資の視点と、統合的な取り組みはオーバーラップする。SDGsの課題についてどう考えるか。

阿部 経済・社会・環境の問題を統合的に解決する上で、国が各省庁の縦割りを排除すれば、日本全体でSDGsが進みやすくなるのではないか。

遠藤 SDGsには柔軟なゴールが設定されており、それぞれのゴールは密接に関係している。各省の支援策が有効につながるよう、統合的な運用をする議論を深めていきたい。

五十嵐 ダボス会議でSDGsの経済効果は12兆ドルと発表された。試算を実現する枠組みを国が作れば、自治体の取り組みは自走していくのではないか。

遠藤 経団連が企業行動憲章にSDGsを盛り込み、企業が社会的な解決に取り組む流れだ。地域の課題解決における自立的な展開には、民間の参画が不可欠である。

村上 パートナーシップについても話を聞きたい。

 下川町では17の企業、学校、団体と連携協定を結び、内発的な産業や地域づくりが起き、町が勢いづいている。

阿部 長野県は県民とのパートナーシップを大切にしている。健康長寿県の次はSDGs先進県になるべく、行政を起点としてどう主体的に動いてもらえるのか工夫していきたい。

五十嵐 子供の貧困対策や、SDGsマイスター制度など、具体的なフレームワークを作っていくためのパートナーシップを大事にしたい。

遠藤 パートナーシップの強化にあたり、自治体の果たす役割は非常に大きい。ぜひ、経済、人材、世代をつなぐコーディネーター役として取り組みを進めてほしい。

村上 最後に、自治体の独自性について。

 かつて北海道の過疎率1位を記録した経験が問題意識、危機意識を生み、下川マインドといわれるまちづくりへの意欲につながった。今後も先駆的に取り組んでいきたい。

阿部 100年生きる時代、人生をマルチステージ化する、先取りした価値観を長野県から発信し、新しい社会を切り拓(ひら)きたい。

五十嵐 つくばは、強みである科学技術の社会実装がキーワード。政府が進める超スマート社会、ソサエティー5.0の実証実験を始めている。

遠藤 日本の地域の課題解決に向け、政府はSDGsによる持続可能な形での変革をサポートしていく。

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