シンポジウム:水素が導くSociety 5.0

【基調講演】サム ブルース 氏 オーストラリア水素ロードマップ:オーストラリアにおける経済的に持続可能な水素の国内および 輸出産業の発展への道筋

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 オーストラリアにとって、水素は自国の将来を担う重要な輸出産業だ。このため当機構では、国内産業への投資のコーディネートと情報提供を支援するため、国家水素ロードマップの策定を進めている。

 水素は、様々なエネルギーおよび産業用途において脱炭素を達成できる極めて大きな可能性を持っている。特に最近は関連技術の成熟化が進み、研究開発から市場創出・実装の段階に入っている。官民両面からの戦略的投資が活発化するとともに、近い将来、経済的に持続可能な産業が構築されるだろう。

 現在のところ、最大の課題は水素供給のコストおよび支えとなるインフラの欠如だ。水素は多くの適用分野で他のエネルギーキャリアに対し商業的競争力を発揮できると期待される。今後輸出産業の確立、環境コスト、炭素価格リスク、エネルギー供給リスクといった要因を考慮することで、全体的な経済性を向上させることが可能だ。

 水素を有力な輸出商品ととらえる我が国にとって、日本は重要なパートナーだ。液化石油ガス(LPG)に関し、日豪間には強固な貿易関係があり、これを輸出入のサプライチェーンの開発に活用することができる。また水素に関する政府間協定が成立すれば、有利な輸出入関税の範囲が広がるだろう。長期のテイク・オア・ペイ(引き取り義務)条項によって投資リスクを下げ、日本企業との合弁事業に積極的に参加する。

 我が国には、豊富な資源と高い技術力がある。水素の生産、貯蔵、輸送技術の低コスト化を積極的に進めており、日本の水素戦略に対し大いに貢献できるものと考えている。

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