シンポジウム:水素が導くSociety 5.0

【企業講演】原田 英一 氏 国際水素サプライチェーンの実現に向けた川崎重工の取組み

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 エネルギーを取り巻く状況は変化し、低炭素から脱炭素へシフトした。エネルギー総合工学研究所は、将来1次エネルギーの20~40%が水素になることが最も国民の負担が少ないという予測を出している。

 当社では、水素には優れたポテンシャルがあると判断した。未利用資源のため安価で、権益の取得が容易な褐炭に注目し、オーストラリアのラトロブバレーの褐炭を液化水素にして運搬する方法を開発している。

 大量の水素を極低温で液化して体積を減らせるほか、精製不要な高純度な状態での運搬が可能だ。毒性がなく無臭であり、発電コストの見通しでも、既存の液化天然ガス(LNG)や石炭よりは高いものの、再生可能エネルギーよりは安価でかつ大量を安定的に利用できる特性がある。

 オーストラリア政府も構想を評価し、今年4月には、日豪水素サプライチェーンパイロットプロジェクトへの支援を表明した。技術面では「つくる」「はこぶ・ためる」「つかう」でそれぞれ開発が必要になり、産業競争力増進にはルール、技術、知財の三位一体の取り組みが重要になる。さらに国民への安全性の訴求・理解も不可欠だ。

 今後は、2020年に国や自治体、各企業と連携して大規模な液化水素のサプライチェーンの技術実証を行い、30年には商用チェーン実現を目指している。CO2フリー水素の意義と効用は、世界に広く分布するエネルギーから水素を安価に作る供給安定性、クリーンな環境性、さらに産業競争力向上にもメリットがあると考えている。

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