シンポジウム:水素が導くSociety 5.0

【企業講演】山崎 明良 氏 CO2フリー水素導入への取り組み ~バイオマスの有効利用~

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 当社は2001年から実証事業用のオンサイト水素ステーション(ST)に水素製造装置の納入を開始。現在では水素STの基本設計・詳細設計から機器納入、建設工事、試運転まで一式の対応を実施している。これまで水素製造装置の納入は22基、水素ST建設の取りまとめは16カ所に及ぶ。17年には実証用水素ST「MKK川崎水素ステーション」を自社工場内に設置した。

 水素ST普及への課題の一つに、供給する水素の「低CO2化」がある。現在、水素の多くは化石燃料から作られ、水素製造時にCO2を排出するため、今後はCO2フリー水素の供給が強く求められている。

 当社は14年から福岡市の下水処理場で、下水から水素を作る「水素リーダー都市プロジェクト」を産学官連携で進めてきた。下水バイオガスから水素を作って燃料電池車(FCV)に供給した場合、都市ガスから作ったものよりもさらに約6割、CO2の排出量削減が可能だ。なお、下水バイオガスから分離したCO2を液化し、ハウス栽培で有効利用されている。

 全国の下水処理場約2000カ所のうち約300カ所が消化槽を保有しており、このうち未使用のバイオガスは約23%。これは年間延べ188万台のFCVに水素を供給できるポテンシャルであり、活用が進めば大幅なCO2排出量の削減につながる。

 各地の下水処理場が都市部に近いエリアに多いのもポイントだ。都市部はFCV普及初期の需要地であることから、FCVと水素STの普及促進につながるだろう。

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