シンポジウム:水素が導くSociety 5.0

【企業講演】権藤 憲治 氏 トヨタ燃料電池バスの特徴と今後の展望

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 当社は水素を利用する車の中でも、燃料電池(FC)バスにフォーカスして開発を進めてきた。FCバスは地域密着で住民が体感・利用でき、多くの人目に触れることから水素社会への啓発が可能なツールでもある。とくに大型路線バスは毎日運行するので水素インフラとの連携が良く、安定した需要が見込める。電動バスと比べて充電時間が短縮でき運行マネジメントがしやすい点にも優位性がある。

 2003年からFCバスの実証事業を全国の様々な地域と連携して進めてきた。静粛性や乗り心地で高評価を獲得しており、9割以上の試乗者が「普及に期待している」と回答している。バス事業者からも、発進加速性や停車時の低振動などについて満足の声が高く、「運転が楽」「疲労感が少ない」と好評だ。

 今年3月から導入を始めた最新型のFCバス「SORA」は、FC車「MIRAI」の高圧水素タンクと燃料電池スタックを流用しており、フル充填で200キロメートルの走行が可能だ。急加速を抑制する加速制御機能や、事故防止を図る視覚支援システム、災害時に役立つ大容量外部給電機能などを備えており、20年までに東京都を中心に100台以上の導入を予定している。

 FCバスの課題は、車両価格と耐久性、所有コストだ。メーカーの責務としてさらなる技術開発によって原価低減と耐久性向上を目指し、本格普及を促進していく。そしてグループ各社と協業しながら乗用車・商用車の商品ラインアップを拡充して水素需要を拡大し、正のスパイラルを回していきたい。

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