シンポジウム:水素が導くSociety 5.0

【基調講演】柏木 孝夫 氏 再生可能エネルギーの主力電源化と水素戦略

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

 再生可能エネルギーが脱炭素化の極めて優良な電源であることは疑う余地はないが、固定価格買い取り制度を受けており経済的に自立していない。現在自立しているといえるのは自家消費用の太陽光発電だけで、メガソーラー、風力、地熱、中小水力、バイオマスなどを事業用の電源に使えるコストまで下げるにはまだ時間がかかる。

 再生可能エネルギーを自立した主力電源にするための早道は地産地消。街区全体をスマートグリッド化し、コージェネレーション(熱電併給)、中小規模メガソーラー、風力、バイオマスなどを使って面的な全体最適化を図ることだ。

 各戸のエネルギー消費の情報が利用できれば、見守り・駆けつけサービスといった高齢化社会に向けた新しいビジネスモデルも生まれる。こうしたプラスアルファの地域サービスが提供できるようになると生活総合産業としても発展し、経済的な自立に近づいていく。そのためにはまず、新しい地域エネルギーシステム構築を官民が一体となってバックアップし、実装を進めることだ。日本の国益になり、地域創生にも役立つ。

 今後の主力電源の役割を担うべき風力と太陽光には、いずれも大きな変動成分がある。電気は生き物の血液と同様、需給バランスが崩れて電圧が下がり過ぎても上がり過ぎても停電する。蓄電インフラの整備に加え、余剰電力を液化水素、あるいは常温輸送できるトルエン、メチルシクロヘキサンなどに変換する技術が期待されている。水素社会実現に向けた国際ネットワークを築き、計画を加速していくべきだ。

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。