フィンサム2018&レグサム特集

フィンテックが変革 新たな経済社会へ フィンテック・サミット9月25~28日開催

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銀行も新サービス 独自通貨・システム開発

 銀行側もフィンテックを生かした新サービスの開発を急ぐ。三菱UFJ銀行やみずほ銀行は独自のデジタル通貨の発行を目指している。三菱UFJ銀行は行内の売店でQRコードを使った実験をしている。みずほ銀行は6月、福島県で地銀と組み、商業施設でQR決済の実験を開始。9月には北九州でも始める。

 既存のデジタル通貨の囲い込みにも余念がない。みずほは8月、スマホを使い、JR東日本の「スイカ」に銀行口座から直接チャージできるサービス「みずほスイカ」を始めた。スイカと銀行口座のアプリ連動は初めて。口座からの直接チャージで現金関連コストを減らすほか、顧客の同意を得たうえで決済データ活用を模索する。

 三井住友フィナンシャルグループや三菱UFJは決済基盤に入り込もうとしている。三井住友はGMOペイメントゲートウェイと組んでクレジットカードやスマホ支払いなど複数の決済手段に対応できるシステムを開発する。三菱UFJは米アカマイ社と、毎秒100万件超の情報を高速処理できる新たな決済基盤を開発した。キャッシュレスでの小口決済が急増する時代に備える。

横断法制づくり急ぐ 異業種参入巡り金融庁

 金融庁はフィンテックの進展にあわせて金融法制の再編の議論を始めている。銀行や保険会社など業態ごとに分かれた現在の規制を機能やリスクに応じた横断的なルールに衣替えするのが柱だ。一方、銀行と異業種の融合が進むなか、相互に参入する際のハードルが異なる問題への対応も論点に浮上してきた。

 「企業は銀行を設立できるが、逆は規制でできない。この不平等をどう考えるかは非常に重要な論点だ」。金融庁が6月に開いた金融審議会の会合。三菱UFJフィナンシャル・グループ元副社長の田中正明氏はこう述べた。

 銀行は財務の健全性を保つ目的で業務内容を厳しく制限されている。事業会社に5%までしか出資できないのはこのためで、事業会社のようには自由に多角化できない。半面、事業会社は完全子会社として銀行をつくれる。「楽天は銀行を経営できるが、銀行は楽天を経営できない」といわれる理由だ。

 仮に米アマゾン・ドット・コムが金融庁に銀行免許を申請すれば規制上、阻むものはない。金融審での議論は銀行は銀行法、送金業者は資金決済法といった業態別の法律や規制では金融や非金融の複数の事業を組み合わせるフィンテックの進展に対応できないとの問題意識から始まった。

 決済や融資といったサービスやリスクが同じなら、同じ規制や利用者保護の網を敷くことを目指している。業態間の垣根が低くなることを前提に規制を見直す議論で、異業種と銀行の参入障壁の違いが論点に浮上してきた。

 金融庁は今後1年程度かけて金融審で議論していく方針。そのうえで新しい横断的な法律をつくるのか、既存の法律を機能ごとに適用するのかといった対応を検討する。

◇ ◇ ◇

国内外の当局者・経営者ら議論

 フィンテック・サミットのシンポジウムでは国内外の金融機関や大手企業、行政機関、スタートアップ企業などの関係者が、フィンテックが経済社会に及ぼす恩恵や解決すべき課題について骨太な議論を交わす。

 海外ではスタートアップ企業経営者の活躍でフィンテックの進化が加速し、経済や人々の生活に大きな変化をもたらす。その一人、英ネット専用銀行レボリュートのニコライ・ストロンスキー最高経営責任者(CEO)が登壇する。仮想通貨を含め、さまざまな通貨をスマホ上のアプリで手数料なしに両替するサービスを展開。既存の銀行に挑戦する「チャレンジャーバンク」と呼ばれる新興銀行の代表選手だ。

 中国からは同国のインターネット専業保険最大手、衆安在線財産保険(衆安保険)の許煒・最高執行責任者(COO)が参加する。同社はアリババ集団や騰訊控股(テンセント)、中国平安保険が出資して2013年に設立した。ネット通販で購入した商品の返品送料を補償するなど、ネット関連企業と提携してニッチな損害保険商品を提供している。

 日本企業では、スタートアップに積極的に投資するSBIホールディングスの北尾吉孝社長が登壇し、フィンテックの将来像や投資戦略について語る。NECの新野隆社長、農林中央金庫の奥和登理事長もそれぞれ単独講演を行う。

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「サンドボックス」活用のアイデア競う

 今回のフィンサムでは初めての試みとして、規制の一部凍結で革新的技術の実証実験をしやすくする政府の「サンドボックス」制度を活用するアイデアコンテスト「アイデアソン」を実施する。人工知能(AI)、ビッグデータ解析、ブロックチェーン(分散型台帳)など先進的な技術や手法を使い、公共の問題を解決するアイデアを持つ個人・企業の応募を受け付ける。

 スタートアップ企業が事業・サービスをプレゼンで競う、恒例のピッチコンテストも行う。送金・決済、資産運用・管理、融資、保険、仮想通貨など狭義の金融サービスのほか、他業種と連携したものも対象とする。

 サンドボックス・アイデアソン、ピッチコンテストに参加するスタートアップ企業を9月12日まで募集しています。申し込みは公式サイトから
<開催概要>
名 称  フィンサム2018&レグサム
期 間  9月25日(火)~28日(金)
会 場  丸ビル、新丸ビル、三菱ビル、3×3 Lab Future、グローバルビジネスハブ東京、東京金融ビレッジ、FINOLABほか(東京都千代田区)
主 催  日本経済新聞社、金融庁
後 援  内閣府、国土交通省、特許庁、日本銀行、全国銀行協会、駐日英国大使館
特別協賛 三菱地所
協 賛  SBIホールディングス、ビザ・ワールドワイド、NEC、農林中央金庫、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、PwC Japanグループ、デロイト トーマツ グループ、EY Japan、KPMGジャパン、NTTデータ、QUICK、NN生命ほか

チケット 一般10万円(税込み)、学生1万円(同) 4日間通し、購入は公式サイトから
公式サイト http://finsum.jp/

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