日経SDGsフォーラム

ビジネスの力でSDGs達成 利益上げながら社会作りに貢献

記事保存

日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。

環境や社会問題、本業として注力

 環境対策や社会問題への取り組みとして国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まっている。企業がビジネスの力で内外の課題を解決し、利益をあげながら持続可能な社会づくりに貢献する。そんなウィン・ウィンの考え方が、SDGsを事業に生かしていくうえでカギとなりそうだ。

◇   ◇

 SDGsには169ものターゲットがあり、全体を理解するのはたいへんだ。だが見方を変えれば、多様な参加者が豊富なメニューの中から、それぞれのできるものを選べばよい仕組みでもある。

 例えばアジアやアフリカの途上国の衛生環境改善や貧困撲滅に貢献する。あるいは国内で環境にやさしい製品の普及や、持続可能なまちづくりに挑戦する。自社の事業領域から何が関係するかを考え、SDGsのゴールと具体的にひも付けてみることが出発点になりうるだろう。

 キーワードはイノベーションと、本業での取り組みだ。ゴールに近づく方策を新しい発想や技術の力で切り開く。それには本業として息長く続ける意欲を持って取り組むことが大きな推進力になる。

 本業として力を注ぐことで、環境や社会問題に貢献すると同時に、事業から利益を得たり、新たなビジネスへの参入につなげたりすることもめざす。結果として企業価値が上がれば株主の利益にもなる。売り手と買い手が満足し、社会にも貢献する「三方よし」の考え方と重なるという指摘もしばしば耳にする。

 チャンスの面と並んで重要なのは、企業として責任ある行動をとることだ。SDGsは、環境や人権問題などであるべき姿に反しないよう、自らを律することを企業に求める。内外の生産のプロセスなどに労働者の人権問題や、規範にもとる原材料が含まれていないか、サプライチェーンの厳正な管理は欠かせない。

 関心の高まりを背景に、経済界の動きも目立っている。経団連は企業行動憲章でSDGsを念頭に「持続可能な社会の実現」を呼び掛け、この7月には専用サイトでイノベーションの事例紹介を始めた。SDGsの17の目標ごとに、さまざまな企業の関連事業を調べることができる。企業や自治体の事例は外務省もサイトで紹介している。

 企業の取り組みを金融面から支える銀行業界も動いている。全国銀行協会は今年改定した行動憲章で、環境問題への取り組みや人権の尊重を掲げた。銀行にとって、どんな事業に融資するか、そしてビジネスのチャンスとリスク管理の両面でどんなアドバイスを顧客企業に提供できるか、といった点が問われていくだろう。(編集委員 刀祢館久雄)

「世の中のため」強い思い後押し

 SDGsが掲げる環境や貧困への取り組みを理念とする会社は多いと感じています。新たなビジネスを興す人には、世の中の役に立ちたいという強い思いを持つ人が多い。そういう会社のパートナーとして、集めた情報を伝えたり、必要な資金を提供したりして夢の実現をお手伝いすることが、金融機関の役割だと考えています。

 当社は今春、CSR(企業の社会的責任)を担当する「CSR推進室」を「SDGs推進室」に改組しました。ひとり親家庭などの高校生に奨学金を給付する「りそな未来財団」といった社会貢献事業に加え、本業の中でこそSDGsの重要性を伝え、その実現に向けて取り組んでいくべきだと判断したからです。

 中堅・中小を中心に50万社に及ぶ取引先企業に対し、SDGsの観点からビジネスのチャンスとリスクの両面でアドバイスしていくことを目指しています。ビジネス拡大につながるチャンスがある一方で、リスク面では、例えば自社のサプライチェーンに途上国の児童労働が含まれていないか、といった点に気をつける必要があります。

 5月まで取り扱った私募債の「日本万博・SDGs応援ファンド」は好評を得て、取扱額を当初の200億円から約550億円に拡大しました。当社がいただく手数料の一部を関連する団体に寄付する仕組みです。

 社会貢献をしたいけれど何をしたらよいのかわからない、という会社は多いようです。6月からは私募債の第2弾として、総額1000億円の「SDGs推進ファンド」の取り扱いを始めました。個人向けの運用商品としてグループ5行によるSDGsに関連した投資信託の販売も予定しています。
▼SDGs Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
 国連サミットが2015年に採択した国際社会が取り組むべき包括的な目標。気候変動、貧困、教育、まちづくりなど、2030年までに達成すべき17の目標とそれを具体化した169のターゲットからなる。日本政府が設置したSDGs推進本部はアクションプランで(1)SDGsと連動したソサエティー5.0の推進(2)SDGsを原動力とした地方創生(3)次世代と女性のエンパワーメント――の3つを柱に掲げている。

キーワード:経営・企画、経営層、管理職、経営、営業、技術、製造、プレーヤー、経営、CSR、CSV、ESG、環境問題、SDGs

閲覧履歴

    クリッピングした記事

    会員登録後、気になる記事をクリッピングできます。