長島聡の「和ノベーションで行こう!」

世界で勝てる製造現場の「つなぎ方」 第18回 深沢直仁駿河精機ステージ事業部事業部長に聞く

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 長島 本当に真にオープンなアーキテクチャーになっていますよね。深沢さんの考えるAIの得意なことと苦手なことは何でしょうか。

 深沢 AIは決められた入力に対する出力を明確にデータとして残せるという利点はありますが、思ったほど応用が利かない(決められた動作、出力しかできない)ことも分かりました。決まった設備、機器を利用した工程設計をするAIは、規定通りの入力値に正確な出力を出しますが、前提条件の設備、機器が変わると途端に利用できなくなります。卓越したエンジニアであれば、設備や機器の特性の差異と自身の知見を総合して最適解を導き出すことができるでしょうが、AIでは難しいと思います。

 もう1つは、AIは100点ではないという点です。100パーセント完璧なのではなく、残りの数パーセントでミスをします。そのミスを検知し確実に止める対策が必要です。

 AIの活用範囲ですが、私自身は「人がAIに取って代わられる」という意識はありません。ベテランの仕事の中でも、AIが対応できる領域はありますが、どうやってもAIには越すことができない領域が必ずあると思うからです。もちろんAIは進化しますので、ベテランもモチベーションを持ち続けて進化しないと最終的にはダメかもしれませんが・・・。

 長島 それとAIは結論を出すメカニズムがブラックボックスで人がそれを理解できない。もう1つは複雑なことを1つのAIに任せればいいのか、10個のAIにやらせてそれをまとめるAIを作った方が精度がいいのか分からない、など色々考えるべき問題もありそうですね。

 深沢 AIは製造工程の様々な分野で応用できる可能性があります。今回は加工工程でしたが、組み立て工程への応用もできると思っています。AI化の課題の1つが「すり合わせ工程」で、ご指摘の通りアプローチの仕方の是非が問われると思います。

 長島 駿河CPSの取り組みは、これだけ全システムをつないでいる例は珍しいと思います。まだまだ進化は止まりそうにありませんが、とても素晴らしい取り組みだなと感じました。

 深沢 工程間をバランスよくつなぐシステムの開発は想像以上に難しい試みでした。まだまだ道半ばではありますが、是非我々の取り組みを実際に覧いただき、ご意見を頂ければと思います。

 長島 ぜひ行けたらいいなと思います。今回の対談、ありがとうございました。

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