長島聡の「和ノベーションで行こう!」

世界で勝てる製造現場の「つなぎ方」 第18回 深沢直仁駿河精機ステージ事業部事業部長に聞く

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 長島 その点で言うと、汎用性を広めるのがいいのか、スモールデータでも動くようにするのがいいのか、悩ましい問題ですね。

 深沢 スモールデータで動くようにするには、ある程度ベースを作っておいて、そのデータに少し加えると最適なAIになる、といったものができるといいなと考えています。学校教育でいえば、義務教育まで終えた人たちがいて、専門学校へ行くのか工業学校へ行くのか、ということですよね。ベテランのエンジニアの中には、自分で設計し、加工し、組み立てをして、さらに見積もりまで対応できる人もいます。そういう人の技術を伝承するのは非常に困難だと思います。失われていく暗黙知を何かしらの形で残そうという活動においては、そのノウハウをどう残すかという意味でトライすべき課題かもしれません。

 長島 設計や生産準備のプログラムなどで、優秀なエンジニアの頭の中を取り出してくる際、本人も言語化できてない暗黙知を引っ張り出すにはどんなアプローチがあるのでしょうか。

 深沢 図表を元に議論しながら考えを整理しました。例えば設計でいえば、製品の大きさをこの範囲で変えるとした場合にここに制約条件が出てくる、といった点をまとめて簡単なたたき台を作ります。これを元に会議を開催し「ああでもない、こうでもない」と話していくうちに色々な指摘がでてきますが、最終的に「ああなるほど」と思える形までまとめて行きました。ホワイトボードは必需品でした。

AIの存在がベテランの進化促す

 長島 こうした成果の外部への販売の可能性はないのですか。

 深沢 今までの取り組みは弊社の内部的なものですが、お手伝いができるところがあれば協力していきたいと考えています。異業種でも活用できる技術もあるのではないかと思います。例えば家具生産などカスタムオーダーメードの世界や飲食業界などでも、もしかしたら使えるかもしれません。逆に、我々が知らない異業種の進んだ技術を導入できるチャンスになるとも思っています。

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