長島聡の「和ノベーションで行こう!」

世界で勝てる製造現場の「つなぎ方」 第18回 深沢直仁駿河精機ステージ事業部事業部長に聞く

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 長島 これまで人が行っていた設計や生産準備をどう最大限自動化するか、ということですね。人が手がけるのは、実際の組み立てとロジスティックスのようですね。設計と生産準備を自動化するという取り組みはどんな技術を使うのですか。

 深沢 基本的にはエンジニアの頭の中にあるものを表に出してシステム化するという手法です。設計においては、ベテラン設計者の設計ロジックを整理してCADの機能に組み込みました。CADは顧客企業の要求仕様を入力すると、製品を自動設計しデータを出力します。生産準備も同様です。それぞれの工程のベテラン技術者や作業者の思想や過去のデータからロジックを組み、加工プログラムや作業標準など、生産に必要なデータを様々なシステムを利用し自動生成していきます。

小さな成功つなげてやる気引き出す

 長島 形式知化する際に、ITシステムに落とし込むことが難しいと思うのですが、ハードルや乗り越え方はどのようなものでしたか。

 深沢 関係者の意識改革は非常に難しい問題です。特に今回はIT系と製造にかかわる全てのエンジニアが参画するプロジェクトだったので、依頼する方は難易度を意識せず関係者に要求を出し、頼まれた方は拒絶反応を示すという事態が多発しました。双方の主張の本質を見抜き、課題解決に向けメンバーをリードしていくことは本当に大変でした。

 試行錯誤を繰り返しましたが、メンバーの意識改革で一番有効だったのは、成果を実際に目の当たりにさせることでした。今回のプロジェクトは様々な工程をシステム化し、さらに全体をつなぐため、1つの工程でも致命的な問題があれば実現できなくなります。このため、本格的にプロジェクトに着手する前に主要機能について事前検証を何回かに分けて実施しました。

 最初は個別工程の機能検証なので、担当者も理由も分からずやらされ感いっぱいでした。

 それが最後に各工程をつなぎ、スマート工場をイメージするデモンストレーションを成功させたときは、皆の目の色が変わりました。この成功で本格的にプロジェクトがスタートしましたが、そこからの開発スピードは非常に速かったです。

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