長島聡の「和ノベーションで行こう!」

世界で勝てる製造現場の「つなぎ方」 第18回 深沢直仁駿河精機ステージ事業部事業部長に聞く

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 長島 駿河CPS(Cyber Physical System )とはどんなものですか。それをやろうとした狙いもお聞かせください。

 深沢 一番の要因は危機感を抱いたことです。1つ目は、我々の事業の主要市場が国内から海外にシフトしていくにつれて、アジア系企業の安価なコピー製品が氾濫し、非常に厳しい戦いを強いられることになりました。2つ目は、2015年にハノーバーメッセという世界的な産業展示会を見学し、世界の動向を知ったことです。会場にはインダストリー4.0や人工知能(AI)に関する技術や情報があふれ、我々は相当出遅れているのでは?と実感したためです。

 しかし、実際に何から取り掛かれば良いのか、何を目標とすれば良いか分からない状況でした。いくら調べても抽象的な概念しか見つかりませんでした。様々な経緯がありましたが、カスタマイズの要望をデジタルデータ化し、生産の最終工程までつなげていく取り組みを目指すこととなりました。

設計から生産までの流れをデジタル化

 長島 例えばカスタマイズでは、今まで個別のエンジニアが対応してきた設計から生産の一連の流れを、デジタルに置き換えられないかと考えたということですか。

 深沢 その通りです。スマート工場によってインダストリー4.0の「マスカスタマイゼーション」の実現を目指しました。また、そういう領域に早めに入れば新たなビジネスチャンスが出るのではという期待もありました。ミスミグループは「時間戦略」思想がありますが、その思想もプロジェクトを推進できた大きな要因でもあります。

 長島 設計に関して、AIに教えられるところは教えて、人が関わる時間を縮めて全体の時間短縮につなげるという取り組みが始まったんですね。

 深沢 正式に着手したのは2016年です。駿河精機は日本・中国・ベトナムに主要な生産拠点がありますが、ようやく今年全ての拠点にシステム導入が完了します。設計や生産活動に関わる業務の大半が自動化されることで、受注から出荷までのリードタイムを大きく削減できます。

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