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米中貿易戦争の泥沼化で市場はドル買いに傾く可能性 経済アナリスト 田嶋智太郎

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 もしかすると、相場に吹く“風”の向きが少し変わってきているのかもしれない…。そう感じ始めたのは7月半ばあたりからのことである。その頃から、いくつかのマーケットレポートの文中に「米中貿易戦争の影響は最終的には米国経済にも跳ね返るが、さしあたっては米国経済よりも回復度合いが鈍い他の国や地域への影響の方が大きいと見られ、その意味ではドル高が当面のシナリオとして適当との見方も増えつつある」といった意味合いの表記がなされるようになっていた。

 思えば、ドナルド・J・トランプ氏が米大統領に就任して以来、これまでいく度も米金利上昇とドル高を強くけん制する発言がなされ、結果的にドルは対円や対ユーロで上値を重くする展開を長らく続けた。そのため、対円でのドルの上値は頑張っても1ドル=115円手前あたりまでに留まることとなり、あろうことか今年3月には一時105円を割り込む水準までドルが下値を切り下げる場面もあったわけである。

 ところが、去る7月6日に米政権が中国の知的財産侵害に対する制裁関税を実際に発動し、さらにその数日後(10日)には総額2000億ドル分に相当する追加措置発動の可能性まで示したのにもかかわらず、以降はむしろ対円でドルが急上昇し、一時は113円台に乗せる水準まで値を戻す場面も見られたのだ。

 やはり、これは「米中貿易交渉が一段と泥沼化するならドルは買い」ということなのか。ここは、他の支援材料となり得るものも含めて再検証し、今後のドル高進展の可能性についてじっくり考察しておきたい。

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