ドリルで学ぶ! 人を動かす資料のつくりかた

ジョブズ氏まねるな、図解で「一人歩きする」資料目指せ ルバート代表取締役 松上純一郎

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「説明」のいらない資料を作る

 私は、ビジネスパーソンが作る資料というのは「一人歩きする」資料であるべきだと考えています。「一人歩きする」資料とは、自分の説明がなくても、誰にでも理解される資料のことです。説明が必要な資料だと、関係者に説明してまわることに時間が費やされていきますが、「一人歩きする」資料を作れば、自分の説明が不要なので資料説明の時間が節約され、より多くの人を巻き込むことが可能になります。

 また、営業活動において、特に単価が高い商品やサービスの場合は取引先の担当者が社内で複数の決裁を取る必要があります。「一人歩きする」資料であれば、担当者が社内で説明しやすく、取引のチャンスが増えます。

 この「一人歩きする」資料の重要性はどれほど強調しても強調しすぎることがないものです。そして、「一人歩きする」資料を作成するために必要な要素が、実はここで扱う図解とグラフなのです。

■文字だけでは通じにくい時代

「文字だけ」の資料は読まれない!?

 社会人の読解力は低下傾向にあり、今後もその傾向は継続すると考えられます。社会人の卵の大学生を見てみると、1週間に全く読書をしない学生の割合は2008年の34.5%から17年には53.1%まで急増しています。スマートフォンの普及で、読書の代わりにユーチューブやゲームに時間を取られることになった影響が大きいと考えられます。

 このように社会人の読解力の低下が進む一方で、会社では文字の多い資料がますます増えており、仕事への影響は非常に大きくなっています。そもそも文字ばかりの資料は読まれる可能性が低くなります。これは役職が上がって一案件に割く時間が限られると、より顕著になります。100ページを超えるスライドを用意したコンサルティングプロジェクトの報告の場で、経営者から「要点を口頭で伝えてくれ」と言われたことは幾度もあります。

 また、文字ばかりの資料の場合、関係者が十分に資料を読み込まず、内容の理解が不十分なまま議論を行う可能性が増えてしまいます。これは非生産的な打ち合わせや議論を生み出す元凶です。

 Amazon のジェフ・ベゾス氏は、会議などでパワーポイントの代わりにワードで6枚程度の文書を用意することを社内のルールとしているようです。しかし、これはAmazon の社員の読解力が高いから可能なのであって、多くの社会人の読解力が低下する現代では、できるだけ文字を減らして説明するスキルが求められているのです。

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