フィンテック最前線リポート

企業向けブロックチェーン、欧米で活用広がる

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 日本経済新聞社は9月25~28日、東京・丸の内エリアでフィンテック(金融とテクノロジーの融合)をテーマにしたグローバルイベント「フィンサム2018&レグサム」を金融庁と共同開催する。注目プログラムの一つは、規制を一時凍結し、新技術やサービスを実証する政府の「サンドボックス」と連携したアイデアコンテストだ。このコンテストでオープンソースのブロックチェーン基盤「mijin v.2(Catapult)」を技術提供するテックビューロホールディングスがこのほど、都内で企業向けブロックチェーンの活用方法や最新事例を紹介するセミナーを開催。来日した2人の講師が欧州と北米の現状を報告し、国内での利用拡大を呼びかけた。

ロイヤルティー管理、偽造品対策、ゲームなどで利用
トム・ベノ氏(テックビューロ・アメリカ CEO)

 ブロックチェーンは、テクノロジー自体は非常に複雑ですが、それを簡単に使えるものとして提供するのがmijin v.2 (Catapult)です。顧客側にシステムエンジニアリングや暗号化の技術などは一切不要で、運用するために新たに開発言語を勉強する必要もありません。その言語はC++をベースとしているので、誰にでも使いやすく、すぐに受け入れていただけるものになっています。

 具体的な利用事例を紹介しましょう。

 ロイヤル・コイン(Loyal Coin)は、ロイヤルティー制度を合理化し、効率を上げるソリューションを提供している企業です。ホテルやリゾートクラブ、航空会社などが顧客で、それらの資産管理をmijin v.1が行っています。

 ラックスタグ(LuxTag)は、偽造品対策を提供する企業です。オンラインショッピングが急速に普及する中、時計などの高級品が取引された際に、その信憑性(しんぴょうせい)を担保する、あるいは検証するための資産管理などにmijin v.1が活用されています。

 クリアリティ(Clearity)は、ギャンブルなどオンラインゲームのサービス企業です。mijin v.1はその真正性を確保することと資産の管理、さらにはギャンブルに対しては非常に規制が厳しいということもあるので、プレーヤー認証のソリューションとしての役割などを担っています。

 食の情報アプリを展開するヤミー(Yummi)の場合は、mijin v.1がコンテンツに密接に関連したソリューションになっています。自分が食べるものを写真に撮って交流サイト(SNS)にアップするのが流行ですが、ヤミーは写真をアップした利用者に対し、ヤム(YUMM)というトークンを提供します。mijin v.1はその基盤となる役割を果たします。

 IPゴールド(IP Gold)はmijin v.1を活用することでIPアドレスを管理するサービスを実現するとともに、これまですべて手作業で管理していた数百万件のやり取りや、IPアドレスのトレーサビリティー(流通履歴の追跡)についても大幅に効率を上げています。

 トークンAI(TOKEN AI)は、人工知能(AI)を活用して仮想通貨への投資を支援しています。早くもmijin v.2 (Catapult)が導入され、その効率を高めています。

 ブロックチェーンは、データベースの延長としてとらえることももちろんできますが、それ以上に重要なのは検証が可能であることです。唯一の信頼できる情報源であると検証できることが大きな特徴です。

 特定の業界、業務でブロックチェーンをどう活用するか、現在さまざまな形で評価が行われ、可能性が広がろうとしています。

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