ビジネス書の目利きが選ぶ今月の3冊

酷暑に負けない「緑陰の読書」の3冊 橋本忠明・「TOP POINT」編集長

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 異常とも思える今年の酷暑。ここはしっかり夏休みを取って、心身ともに充電したいものだ。暑さと忙しさにかまけて放っておいたビジネス書に、取り組む計画の方も少なくないだろう。しかし「なぜ読書をするのか」という根本的なテーマも、長い休暇の時にしか考察できないではないか。緑陰の読書にお薦めの3冊を「TOPPOINT」の橋本忠明編集長に聞いた。

「読書について」(ショウペンハウエル著)

 ――読書そのものをテーマにした書籍は、古今東西に数多いです。

 「まずお薦めしたいのがショウペンハウエル(1788‐1860)の『読書について』(岩波文庫 )です。この古典的名著は21世紀の現代人こそ、耳を傾けるべきアドバイスにあふれています」

 「『読書とは他人にものを考えてもらうことである。1日を多読に費やす勤勉な人間は、しだいに自分でものを考える力を失ってゆく』という指摘があります。この読書という言葉を、『情報』と理解すればどうなるでしょう。我々が日ごろ接している膨大な情報を次々に読んで処理をしていく日々を送っていれば、『しだいに自分でものを考える力を失ってゆく』かもしれません」

 ――21世紀前半に生きる我々だからこそ、身近に感じますね。

 「『食物をとりすぎれば胃を害し、全身を損なう。精神的食物も、とりすぎればやはり、過剰による精神の窒息死を招きかねない』とショウペンハウエルは言います。多読すればするほど、『読まれたものは精神の中に、真の跡をとどめない』とも述べています」

 「次のメッセージを、現代人は真摯に受け止める必要があるのではないでしょうか。『食物は食べることによってではなく、消化によって我々を養うのである』 『熟慮を重ねることによってのみ、読まれたものは、真に読者のものとなる』」

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