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プロジェクトへユーザーを上手に巻き込むには? マネジメントソリューションズ 大内傑

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 プロジェクトは人と人とがともに作業するものですので、コミュニケーションが全てのベースとなります。今回は、プロジェクトにおいてプロジェクトマネジャーが意識すべきコミュニケーションのポイントについて説明しましょう。

Q 現場のユーザーを、プロジェクトへ上手に巻き込むにはどうしたらよいでしょうか?
A 戦略的な観点に基づいたコミュニケーション計画を立案・実行しましょう。

 プロジェクトの立ち上げ時は一般に、プロジェクトのコミュニケーション計画を立案します。会議の目的や意思決定者を整理した会議体一覧を作成したり、メンバー同士が利用する情報伝達ツールやルールの準備・説明などを行ったりするでしょう。ただし、そこで満足してはいけません。これらはプロジェクトにおける「ルーティン(定型的な繰り返し)」のコミュニケーションを定義したものです。まさにここがコミュニケーション計画を立てる際の落とし穴です。

 プロジェクトで行うコミュニケーションには実はもう一つ重要なものがあります。それは、どのタイミングで誰をプロジェクトのメンバーに巻き込むのか、そして巻き込むべきメンバーに対し、誰からどのような情報を与える必要があるのか、といった「戦略的な観点での計画」です。これが実際のプロジェクトで抜けていることがしばしばあるのです。

 例えば、営業支援システムの構築プロジェクトを考えましょう。このシステムでは、現場で営業活動をしている社員(以下、構築する営業支援システムの利用者という意味で「ユーザー」と呼びます)をプロジェクトに巻き込み、営業支援システムの要件を洗い出す作業に協力してもらう必要があります。

 要件の洗い出しでは普段、営業担当社員が何気なく行っている業務の内容を整理・標準化して、どのような機能を開発するのかを決めるのですが、通常の営業活動を行いながら、プロジェクトにも協力してもらわなければなりません。ユーザーからすれば決して小さくない負担となりますので、積極的に協力してくれるユーザーは多くないでしょう。ITシステムを構築するITベンダーにこの要件の洗い出しを任せる場合も珍しくないようですが、そのときもユーザーの巻き込みに失敗すると、要件の洗い出しが不十分になり、開発が進むにつれ、ユーザーが「思っていたシステムと違う」と騒ぐようなトラブルになります。

 では、こんなとき、どのような巻き込み方が有効でしょうか?

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