日本的デジタル化の落とし穴

データ経済圏の主役、プラットフォーム企業の価値と未来(後編) 最終回 筑波大学・立本教授、楽天・河野常務執行役員、LINE・藤井執行役員、アクセンチュア・木原氏による座談会

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協力:アクセンチュア

 経営コンサルティング大手、アクセンチュアのコンサルタントが様々な分野のエキスパートと対談し、日本的デジタル化の要諦を探る連載シリーズ。最終回は「プラットフォーマーの未来~そこから生まれる新たな経済圏」をテーマに、筑波大学・立本博文氏(ビジネスサイエンス系 教授)、楽天・河野奈保氏(常務執行役員 コマースカンパニー シニアヴァイスプレジデント カンパニーCOO&カンパニーCMO)、LINE・藤井英雄氏(執行役員 コマース・O2O事業担当)、アクセンチュア・木原久明氏(金融サービス本部 ディストリビューション&マーケティンググループ統括 マネジング・ディレクター)による座談会を、アクセンチュア・古嶋雅史(通信・メディア・ハイテク本部 デジタルビジネス統括 マネジング・ディレクター)の司会で前後編にわたりお届けする。後編では、プラットフォーム企業の未来や日本企業がプラットフォーム企業を目指す際に乗り越えるべきハードルについて語り合う。

前編はこちら

プラットフォーム企業が目指すべき未来とは?

古嶋 続いてプラットフォーム企業の価値に関する議論を深めながら、その未来に話を進めます。日本では多くの企業がデジタルを活用して自らをGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)のような企業へ変革していかなければ、といった議論をよく聞きますが、そもそもプラットフォーム企業がなぜすごいのか、どう進化していくのかを理解する必要があります。よく言われるのは、「ネットワーク効果(顧客が増えるほど、製品やサービスの価値が高まり、それがさらに顧客を増やす)」です。世界を牽引するプラットフォーム企業はどのようにそのネットワーク効果を活用してきたのでしょうか?

立本 プラットフォーム企業には、約20年の歴史がありますが、形を変えてネットワーク効果を活用してきました。第1世代は「オープンプラットフォーム」型で、いわゆるオープンなインターフェースを作ったことがカギになっています。たとえばパソコン業界ですと、インテルはコンピューターを作る部品となる基本チップを誰でも使えるように設計・生産しました。また、マイクロソフトはOSという基本ソフトウエアを誰でも使えるように開発・提供するといったビジネスを展開しました。

 第2世代は2000年ぐらいに台頭しました。これは「マッチング」型と言えるもので、グーグル、アマゾン・ドット・コムが当てはまります。ネットワーク効果は第1世代でも使っていますが、より前面に出てきます。

 第3世代のプラットフォーム企業は、第2世代の仕組みをさらに発展させてマッチングを実現しています。アマゾンを例にすると、本という固定的なマッチングの対象を、本以外の商品に広げました。もう一つの特徴はオンラインとオフラインの融合です。「データ」を使ってオンラインの購買行動とリアル店舗におけるオフラインの購買行動を結びつける戦略を競うようになっています。

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