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廃棄ストロー、リサイクルへの遠い道 小島道一・ERIAシニア・エコノミストに聞く

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 米コーヒーチェーン大手スターバックスはプラスチック製の使い捨てストローの使用中止を決めた。欧州連合(EU)も使い捨てプラスチック製品の規制を打ち出すなど国際的な環境保護への動きが進んでいる。日本では10月から有害廃棄物の規制を定めた「改正バーゼル法」が施行される。ジャカルタの東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に拠点を置く「リサイクルと世界経済」(中公新書)の著者、小島道一・シニア・エコノミストに聞いた。

中国の輸入規制問題も影響

 ――海洋汚染の問題から米スターバックスがストローの全廃を決めました。台湾もプラスチック製ストローの使用を禁じる規制案を打ち出し、市民の関心を集めています。

 「使用済みストローは技術的にはリサイクルが可能です。産業界で同じ種類のプラスチックを素材にすると定めれば、さらに容易となるでしょう。海洋プラスチックが地球環境問題の一つとして認識されつつあるなかで、使い捨てされるプラスチックの象徴としてストローに注目が集まっています」

 「しかし回収・リサイクルに関するするシステムづくりは、産業界、流通業界、消費者間での協力なくしては成立しません。不可能ではないですが、まだまだ時間が必要です。最近の欧米の動きは、その困難さを知っているからこその対応です」

 「海に流れこまないように徹底的に回収することが当面難しいようであれば、ストローを使わない飲み方に移行したり、代替品が開発される方向に進むことになると思います」

 ――日本は廃プラスチックなど再生資源の分野でビジネスを活発化させています。

 「日本で2015年に排出された廃プラスチックは915万トンで、そのうち83%は有効利用されています。廃プラスチックを含めさまざまな再生資源が輸出されています」

 「金額的には鉄スクラップを年間約3300億円、廃プラスチックを約600億円、古紙を約900億円輸出しています。無色透明が基本の日本のPETボトルは、白い繊維に再生できるためニーズが高いのです。さらに独自の認定制度やリサイクルアドバイザー制度を設けている日本の古紙も評価が高く、国際価格より2~3割高価に取引されている品目もあります」

 「一方、再生資源を輸入するケースもあります。多いのは金や銀、白金族などを含んだ貴金属スクラップです。年間約14万トンと世界全体の約37%を占めています。携帯電話やコンピューターの電子部分には金や銀が使われており、自動車の排ガス浄化装置でもパラジウムやロジウムといった白金族が欠かせません」

 「非鉄製錬産業がリサイクルビジネスを強化しており、貴金属スクラップの輸入は増加しています。DOWAグループは鉱石とスクラップを一緒に処理していた炉の代わりに、スクラップのみを使って金属を回収できる炉を竣工させています」

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